音楽業界のジェンダーギャップ、女性の裏方は皆無

テイラー・スウィフト(左)やリアーナ(右)のような表舞台に立つ女性アーティストの活躍は増えている(Photo by BIGSTOCK)

音楽業界における大きなジェンダーギャップを詳細に調査した最近の研究によると、アーティスト、プロデューサー、ソングライターをはじめ多くの部門で男性の数が女性を上回っており、プロデューサー業などの裏方の仕事ではその差が如実に出ているそうだ。

USCアネンバーグ・インクルージョン・イニシアティブがポピュラー音楽業界を対象に実施した最近の調査によると、この6年以上、女性の数が男性をあらゆる分野で下回っていることが判明した。同調査では、2012年〜2017年の間にリリースされ、ビルボード・ホット100にランクインした600曲を分析。その結果、22%が女性アーティストの作品で、さらにソングライティングに女性がクレジットされているのは全体の12%にすぎなかった。また、ジェンダーギャップが最も突出しているのは、プロデューサー業であるということも分かった。

男性プロデューサーは、女性よりも49対1の割合で多い。ソングライターやアーティストと異なり、この状況は昔から変わらない。多くの有名プロデューサーを有するポップソングのほとんど(96%)が、女性プロデューサーの単独クレジットではない。女性プロデューサーがクレジットされていたとしても、約半数はビヨンセのようにパフォーミング・アーティストを兼任している。結果として、プロデューサー専任の女性の数が少なくなっているのだ。

プロデューサーについて詳細分析するため、アネンバーグは2012年、2015年、2017年のトップ100に入った300曲と651人のプロデューサーに注目した。女性プロデューサーが少ないことを証明するために、間隔の空いた複数の年からデータを収集している。「音楽業界における女性プロデューサーの少なさに関する事例報告を前提とすれば、3年分のデータは問題の広さと深刻さにスポットを当てるのに十分だ」と、アネンバーグの調査では述べられている。

改善する可能性のある一つの要素は、女性パフォーミング・アーティストだ。同調査によると、男性アーティストより女性アーティストの方が女性ソングライターを起用することが多い。

研究対象となった音楽業界の女性の中で、リアーナ、ニッキー・ミナージュ、テイラー・スウィフトというトップ3の女性ソロパフォーマーがヒットチャートで目立つ存在となっている。彼女らは、男性パフォーマーのトップ3であるドレイク、ジャスティン・ビーバー、クリス・ブラウンとほぼ同数のヒット曲を、同期間内で出している。

また、女性トップアーティストは、男性トップアーティストよりもソングライティングでクレジットされている数が多いようである。9人の有名女性ソングライターは、ほとんどそのままトップ女性パフォーマーとしても名を連ねている。例えば、ミナージュは15曲、リアーナは13曲、スウィフトは11曲でソングライターとしてもクレジットされている。一方で男性パフォーマーを見ると、ドレイクのみが、同程度のソングライターとしてのクレジット数を持っている。

ただし「他のアーティストのために歌詞を書く女性にとって、女性アーティストは大切な仲間だ。しかし、女性ソングライターとして成功するためのチャンスを広げる万能薬ではない」と同調査は述べている。

Translation by Smokva Tokyo

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