追悼マーク・E・スミス、その軌跡をザ・フォールの10曲とともに振り返る

享年60歳で亡くなったザ・フォールのマーク・E・スミス(Photo by Lex van Rossen/MAI/Redferns)



ザ・フォールを離れた活動として、スミスは『Hey! Luciani』というミュージカル作品を書き上げている。これはローマ教皇の政治的な駆け引きをテーマにした作品で、1985年から1986年にロンドンで制作された。後にスミスはこのミュージカルのタイトル曲を、ハープシコードをメイン楽器に据えたシングルとしてレコーディングしている。また、楽曲「I Am Kurious Oranj」は振付師マイケル・クラークのバレエ作品の音楽として作られたものだった。さらにゴリラズ、エラスティカ、エドウィン・コリンズなど、数多くのミュージシャンのレコーディングにゲスト参加し、多くのショーやテレビのシリーズ番組で役者としても活躍し、2002年のイギリス映画『24アワー・パーティー・ピープル』にもチョイ役で登場している。



"15 Ways" (1994)


"Bury!" (2010)


また、スミスはソロ・アルバムを2枚リリースしている。1998年の『The Post Nearly Man』と2002年の『Pander! Panda! Panzer!』で、壮大なスポークン・ワード作品となっている。2010年には自叙伝『Renegade: The Lives and Tales of Mark E Smith』を出版した。

短気で有名だったスミスは1998年、ザ・フォールのアメリカ・ツアー中に家庭内暴力で逮捕されたことがあった。当時の恋人だったフォールのキーボディスト、ジュリア・ネーグルが彼の目をあざができるほど強く受話器で殴った1週間後に、今度はスミスがネーグルを蹴り、殴り、首を締めたと言われている。スミスは無罪を主張したが、最終的には怒りを抑える治療とアルコール依存症のカウンセリングを受けるように言い渡された。

ブリックス・スミスとの離婚後、マークはフォールのファンクラブで働いていたサフロン・プリオラ、その後に2016年にザ・フォールのキーボディストだったエレーナ・ポーロと2度再婚している。

2016年に自身の人生とキャリアを振り返ったスミスは、自分はあまり深く考えずに決意し、別に名声を欲しいとも思わなかったとMojo誌に語った。
「俺にだって分かってるよ。邸宅に住んで、キレイな姉ちゃんを多数はべらせるのがイメージ通りだって。でも、見ず知らずの人の家にやってきて、ただで飲み食いする連中がいるし、そんな連中のご機嫌を取りたい金持ち連中もいる。そういうことが頭にくるタイプなんだよ、俺は。そういう状況がずっと続くと想像してみてくれよ。頭がおかしくなるはずだ。そういうの、俺は御免こうむるね」


Translated by Miki Nakayama

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