来日中のブライアン・セッツァー、今なお衰えないエネルギーの源泉

イチローの「あの曲」と日本での思い出

ー 私は1986年生まれで、2002年にペプシのCMに提供された「ぺ・ぺ・ペプシ~」(「セクシー・セクシー」の替え歌ヴァージョン)であなたの存在を知りました。あのCMには当時メジャーで大ブレイクしたばかりのイチローが起用されていましたが、今も彼のことは気になっていますか?


ブライアン もちろんだよ、僕はベースボールのファンだからね! あの曲のことはしばらく忘れていたんだけど、「そういえば、日本では一度もやってなかったな!」と気付いたんだよね。だから今回のツアーでは、あの曲でソロを回そうと思ってる。



―1981年の初来日以来、これまで何度も日本を訪れていますよね。滞在中のエピソードで特に印象的だったものを教えてください。

ブライアン 初来日は僕が23歳くらいで、ステージと客席のあいだにロープが張られていて、まるでフェンスのようだった。「絶対にこんなの必要ないだろう」と思っていたら、案の定ファンもお構いなしに突っ込んできた。2回目の来日では、そこにセキュリティーが立っていたわけだけど、やっぱりファンが突撃してきた。最終的にファンが勝利して、バリアは破壊されてしまったわけだ(笑)。あと、ライブをした各都市で、プロ野球の試合を観に行ったこともあった。広島カープ、ジャイアンツ、ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)……。いつも20~30人くらい連れてたな、あれも楽しかった。それから、布袋(寅泰)さんに案内してもらって、東京のバックストリートやクラブによく呑みに行ったものだよ。

―現在、布袋さんはロンドンに移っていますが、今回も日本をいろいろ出かけることはできそうですか?

ブライアン 間違いないね。今回も空港にお出迎えが来てたよ(笑)。リーゼントに革ジャンを着込んだロックンロール・スタイルで、日本中を一緒に回る熱心なファンがいるから。



―そういう古き良きアメリカの文化を現代に蘇らせたあなたにとって、今のアメリカはどんなふうに映っていますか?

ブライアン 新しいものはよくわからないな、娘に教えてもらわないと(笑)。彼女はナッシュビルで育っているから、ヒップなものをよく知っていると思う。ただ君が言うように、僕らが人気を得ることができたのは、人々が忘れかけていた音楽を蘇らせることができたからだと思う。ブルースはアメリカで生まれた音楽だけど、エリック・クラプトンのようなイギリスのミュージシャンによって逆輸入される形で、アメリカでも見直されるようになった。それと一緒で、自分たちがロカビリーを再発見させるきっかけになれたんじゃないかな。

―日本では今も、若いミュージシャンがあなたの魅力を再発見しているようです。インタヴューを読んでいても、あなたの名前を相変わらずよく見かけますよ。

ブライアン ファンタスティック! アメリカにいても、「あなたのおかげでギターを弾き始めました、サインしてください」と言われることが多いんだけど、本当にグッとくる瞬間だよ。

―そういうときに、「どうやったら、あなたみたいにギターを弾くことができますか?」と訊かれることも多いと思います。どんなふうに答えていますか?

ブライアン 自分らしくあることが大事だね。人間というのは決まった時間に起きたり、車の制限速度を守ったり、いつもルールを守って生きている。でも、ギターだけはどんなルールも関係ない。自分のやりたいようにやって、いろんなものをミックスしていいものなんだ。他人の意見に耳を貸さなくていい、唯一の時間がギターを弾いているときだと思う。あと、ステージに立てば、そこは誰にも侵すことのできない自分だけの領域になる。携帯も鳴らないし、犬も子供もいない。そこでグレッチギターをかき鳴らして、アンプから音が鳴り出した瞬間、僕はいつだって最高にエキサイトするんだ!




ブライアン・セッツァー・オーケストラ 結成25周年JAPAN TOUR
1月24日(水) 札幌・二トル文化ホール
1月26日(金) 仙台・東京エレクトロンホール宮城
1月29日(月)~31日(水) 東京ドームシティホール
2月2日(金) 大阪・なんばHatch
2月5日(月) 福岡国際会議場メインホール
2月7日(水) 広島JMSアステールプラザ 大ホール
2月8日(木) 名古屋国際会議場センチュリーホール

http://udo.jp/concert/BrianSetzerOrchestra

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