エアロスミスのジョー・ペリー、ソロ作発売記念ライブで思わずギターを破壊

1月16日にロキシーで行われたリリース記念ライブの最後で、思わずギターを叩き壊してしまったジョー・ペリー(Photo by Alex Huggan)

エアロスミスのジョー・ペリーは、多数のスターが参加した最新ソロ・アルバム『Sweetzerland Manifesto』を完成させた。リリース記念ライブでギターを叩き壊した理由やエアロスミスなどの今後の予定について語った。

エアロスミスのジョー・ペリーはその場の雰囲気に飲まれるとどうなるのか知っている。16日にウェストハリウッドにあるロキシー・シアターで行われた最新ソロ・アルバムのリリース記念ライブでも、彼はそれを実感した。ペリー、スラッシュ、ジョニー・デップ、ストーン・テンプル・パイロッツのディーン・ディレオのギタリスト4人が「Train Kept A Rollin’」でプレイを爆発させていたときのことだった。この曲は10代のペリーが初めてヤードバーズのバージョンを聴いて以来、彼の音楽人生の核をなす重要な曲である。

「この曲のギター・リフはベストなロックンロールリフの基礎だ」と、ライブ直後のペリーがローリングストーン誌に語った。この曲は1974年エアロスミスがカバーしてヒットしている。16日のライブでは、1951年にリリースされたティニー・ブラッドショーのオリジナルまで遡り、それ以降リリースされたすべてのバージョンの最高の要素を詰め込んだ「Train Kept A Rollin’」を演奏しようと試みたという。「みんなが思いつくEコードの全バージョンを全員で弾いたよ」とペリー。「ステージ上のありとあらゆるものが絶叫していたし、アンプも全開だった。俺はそれ以外にやるべきことが思い浮かばなくて、気がついたら手に持ったギターが粉々に砕けていた」



そう、ペリーは舞台にギターを叩きつけた。「あれは本当にいいギターで、実は俺のためにあのギターを作ってくれた職人が最前列でライブを観ていたんだ」とペリー。「おかげで少し罪悪感を感じている。事前にそうしようと考えていたことではないし、あの場の空気感と爆発するエネルギーに圧倒されて思わずやってしまっただけなんだ」

19日にリリースされた新作に先立って、ハード・ロックと男臭いブルースが2時間繰り広げられたライブの仕上げとしては猛烈な終わり方だろう。新作『Sweetzerland Manifesto』には、チープ・トリックのロビン・ザンダー、ニューヨーク・ドールズのデヴィッド・ヨハンセン、イギリスのベテラン・ロック・ヴォーカリストのテリー・リードなど、錚々たるスター・シンガーたちがキャスティングされている。このアルバム制作は長期間にわたった。プロジェクトの始まりは2012年にレコーディングされた60年代のヒット曲「明日なき世界」(原題:Eve of Destruction)。そして2017年にプロジェクトが加速し、ハリウッドヒルズにあるデップの自宅スタジオでレコーディングが行われた。

「まるで外界から切り離された居留地のようだった」とスタジオでの様子をペリーが教えてくれた。「アーティストたちの避難所か隠れ家という感じで、ジョニーはライターや画家たちにも場所を提供していたよ。これから人気が出そうなコメディアンたちもいる。ただ、奇妙なのは俳優がいないことだ。ジョニー以外にね。あそこはクリエイティヴィティが最優先される場所だね。精神状態が場所という形になった感じだよ」

Translated by Miki Nakayama

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