プロレス王者とロックスター、二つの夢を叶えたC・ジェリコの素顔


大きなケガが一度もないのは「月より寒い」故郷のおかげ?

ー ハードワーカーなのに、これまで大きなケガを一度もしたことがないと思うんですけど、ケガ予防の秘訣でもあるのでしょうか?

クリス 秘訣は自分でもわからないね(笑)。幸運だったと思うよ。生まれ育ったウィニペグはすごく寒い場所で、マイナス20度もざらだし、風も強いから体感温度が下がる。ウェザーチャンネルで「ウィニペグは月面よりも寒い」って紹介されていたくらい。骨まで凍るくらい寒い場所で育てばタフになるんだと思う。FOZZYでもなかなかフィジカルなショーをするよ。エネルギーもあるし動くんだけどケガは一度もしてない。ジャンプして膝を打つこともあるし、FOZZYのフロントマンもプロレスラーも同じくらいケガのリスクはあるんだけど、ラッキーなのかクレイジーなのか、それともウォッカの飲み過ぎなのか、今のところ無事だね。




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Photo=Yoko Yamashita



ー 東京ドームのリングには過去一度だけ立ってるんですよね。

クリス そう、97年に一度だけ。新日本プロレスのリングで、獣神サンダー・ライガーの悪の片割れ、“スーパー・ライガー”として金本浩二と対戦した。でも個人的にはあまりうまくいかなった。今回は20年経ってのビッグリターンということになるけど、輝かしいカムバックになるよ。

ー あなたの場合、WWEでレッスルマニアの大舞台は何度も経験しているし、大きな会場での自分の見せ方というのも分かっているんじゃないですか?

クリス 俺にとっては、たぶん15回目くらいのビッグマッチになる。会場が大きいと歓声もあまりリングに届かなくて、みんな観てる?っていう気分になる(笑)。特にドームはその傾向が強い気がするね。初めて来日したとき、ファンが静かで驚いた記憶があるんだ。観てはいるけど声は出さない。でも、こういうものなんだってすぐ理解したよ。日本のドームで、あの試合中の研ぎ澄まされた静けさっていうのは、自分自身を信じることがすごく大事になると思う。やっぱりアメリカのプロレスとはぜんぜん違うスタイルだなって感じてるよ。


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