ローリングストーン誌が選ぶ「2017年ベスト・ソング」50曲

14位 LCD サウンドシステム「コール・ザ・ポリス」

バッド・ヴァイブの中でも踊らせるダンスの匠が作った、奇妙な開放感を持つ7分間のシンセ・ファンク・パラノイア。LCDのリーダー、ジェイムズ・マーフィーは去年デヴィッド・ボウイの『★』に参加しており、そこで得た影響がはっきりと現れている。彼はまるで、2017年のブルースを聞いてぐっすりと寝込んでしまった、シン・ホワイト・デュークの厚かましいアメリカ人のいとこにでもなったかのようだ。

13位エド・シーラン「シェイプ・オブ・ユー」

この曲を自分で歌うと決める前にリアーナに提供しようと考えていた話は有名だ。うん、利口な男だ! マリンバの魅力的なビート。相手に惹かれていくリアルな様子(クラブでヴァン・モリソンをかけるために並ぶポップスターなんて他にいるのか?)。「シェイプ・オブ・ユー」が記録破りのスマッシュヒットとなったのも納得だ。

12位 セレーナ・ゴメス「バッド・ライアー」

確かに、映画『ストップ・メイキング・センス』みたいだ。アメリカの国民的スウィートハートは、トーキング・ヘッズのニューウェイヴなベースラインを一口噛んで、悪魔のような中毒性を持つ見事な物語へと変貌させている。優しく囁いても、甘い声で語りかけても、大きな声で歌っても、「バッド・ライアー」を歌うセレーナの感情は熱く燃えさかり、一瞬たりとも熱が下がらないと示している。

11位トーヴ・スティルケ「Say My Name」

瞬間的に恋に落ちる様子を歌った恐ろしいほどキャッチーなこの曲は、かつてのスウェーデン人アイドルが北欧的なワイルドさで歌っている。「僕の名前を呼んで/お気に入りのセーターみたいにボロボロになるまで着ておくれ」と、スティルケがからかい半分に歌ったあとに、おちゃめなデジタル・ギターのリフが入ってくる。ウィーザーの「アンダン~ザ・スウェター・ソング」以来となる、冬服の着心地の良さを表現した最高にポップなフックといえるだろう。

10位 フューチャー「Mask Off」

フューチャーは大胆にも「パーコセット/モリー、パーコセット」という呪文で、リック・ジェイムズとの繋がりとも、薄気味悪いジャズ・フルートのループを多用するクセからも手を切った。ケンドリック・ラマーの加わった「Mask Off」のリミックスでは、彼がプリンスの生まれ変わりを宣言して「立ち上がってインスパイアされるんだ!」と叫ぶ部分で、次のレベルへ到達している。

Translated by Miki Nakayama / Edit by Toshiya Oguma

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