ボブ・ディランが歌う、フランク・シナトラの『ただひとつの恋』

ボブ・ディランは、アメリカン・スタンダードの3枚組アルバム『トリプリケート』から、シナトラが歌ってヒットした『My One and Only Love』をシングル・カットする。photo:CBS

ノーベル賞受賞者でもあるボブ・ディランが、偉大なるアメリカン・スタンダードを歌った3枚組アルバム『トリプリケート』からのニュー・シングルを公開した。

ボブ・ディランが、アメリカン・スタンダードを歌う3枚組アルバム『トリプリケート』から、フランク・シナトラで有名な『ただひとつの恋』をシングル・カットし、その音源が解禁された。

『トリプリケート』のファースト・シングル『アイ・クッド・ハブ・トールド・ユー』同様、セカンド・シングル『ただひとつの恋』も、3枚組の1枚目(サブタイトル:ティル・ザ・サン・ゴーズ・ダウン)に収められたスモーキーでセンチメンタルな曲である。



「これらの偉大な曲は、私に大いなるインスピレーションを与えてくれた。これまでのスタジオ録音の中でも最も満足のいく時間を過ごすことができた」と、ディランは3月31日にリリース予定のニュー・アルバム『トリプリケート』について語った。「これまでの私自身の曲や、私のバンドによるベスト・レコーディングに沿ったやり方で、これらのスタンダード曲を自分流に解釈して蘇らせたいと思ったんだ。『トリプリケート』をレコーディングしながら、あらゆる面でそれが上手く回っていくのを実感できた」。

フランク・シナトラは、ヒット・シングル『世界は私の思うまま』のB面として1953年に『ただひとつの恋』をレコーディングした。ガイ・ウッドとロバート・メリンによるこの曲は、その後ジャズのスタンダードとなり、ジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズ、オスカー・ピーターソンらがカバーした。スティング、ロッド・スチュワート、ポール・マッカートニーもまた、『ただひとつの恋』を取り上げている。

『ティル・ザ・サン・ゴーズ・ダウン』『デヴィル・ドールズ』『カミン・ホーム・レイト』とサブタイトルの付けられた3枚組アルバムは、それぞれのテーマに沿った10曲が収録されている。直近のアルバム『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』や『フォールン・エンジェルズ』でもシナトラを歌ってきたディランだが、『トリプリケート』はその集大成となる。さらに今回の3枚組アルバムでは、ハーマン・フップフェルドの『時の過ぎゆくままに』(映画『カサブランカ』で有名)やホーギー・カーマイケルの『スターダスト』、アーヴィング・バーリンの『愛は海より深く』など、偉大なるアメリカン・スタンダードをより深く追求している。

Translation by Smokva Tokyo

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