ニュー・バーバリアンズ:ワイルドな70年代を飾るストーンズのスピンオフ・バンド

ローリング・ストーンズのロニー・ウッドとキース・リチャーズによるスピンオフ・バンド、ニュー・バーバリアンズの活動を描いたドキュメンタリー本が出版された。 Henry Diltz


チャップマンが指摘するように、一芝居打つこともビジネスの秘訣のひとつである。ウッドの名前だけでアリーナを満席にできたかどうかは定かでないが、事前にバンド関係者はレポーターたちに対し、ライヴには“スペシャル・ゲスト”が登場することを匂わせた。そのため人々はミック・ジャガー、ボブ・ディラン、ジミー・ペイジらを勝手に想像したが、彼らの出演は結局実現しなかった。ツアーの始まった当初は、ミックのいないステージに不満を漏らすファンもいた。1時間半のステージでバンドは、ウッドのオリジナル曲をはじめ、ブルーズやカントリー・ソングのカヴァー曲、さらに『ホンキー・トンク・ウィメン』などストーンズのレアなカヴァー・バージョンを聴かせた。ミルウォーキーでは暴動が起こり、81人が逮捕され、リチャーズは爆発した、というエピソードもある。



本は、ステージ・セットの詳細なデザイン、オフ&オンステージの写真、当時のデザインを再現したツアーTシャツやリムジンの請求書のコピーなどがセットになっている。ニュー・バーバリアンズは、ロックの歴史の中でも最も毛色の変わったスーパースターたちによるツアーの決定版のひとつと言える。特典として、未発表のライヴ・テイク10曲を収めたCDも付く。ウッドのオリジナル曲『ミスティファイズ・ミー』、チャック・ベリーのカヴァー曲『スウィート・リトル・ロックンローラー』、ブルーズのスタンダード曲『ロック・ミー・ベイビー』など、バンドの楽しそうな演奏が聴ける。このようなラインナップが、こんなユニークなセット・リストで、今どき2万席のアリーナを埋めることなどできるだろうか? とても無理だろう。それだけでもニュー・バーバリアンズの物語は今なお人々を驚かせるのだ。

Translation by Smokva Tokyo

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