イギー・ポップがデンジャー・マウスと組んだ新曲『ゴールド』を聴く

イギー・ポップ(左)とデンジャー・マウス(右ひいい)(Photo by Steve Appleford)

イギー・ポップとデンジャー・マウスが語る、同名映画の主題歌『ゴールド』誕生の経緯とは?マシュー・マコノヒー主演の同名映画のために書き下ろされた、レナード・コーエンを思わせるダークな新曲について2人が語った。

2人が出会ったのは2004年、イギー・ポップがヘッドライナーを務めたイベントで、デンジャー・マウスがオープニングDJとして出演した時のことだった。当時は両者に追い風が吹いている状況だったと言える。イギーはストゥージズとしての活動を再開したばかりであり、デンジャー・マウスはビートルズとジェイZのマッシュアップアルバム『ザ・グレイ・アルバム』で、その名を急速に浸透させつつあった。そのイベント当日、デンジャー・マウスはレッドカーペットを歩くことを一度は拒否したが、イギーの姿を目にして気が変わったという。

「イギーがやるってことは、それはクールなんだって思い直したんだ」ビバリーヒルズのホテルでイギーと並んで座ったデンジャー・マウス(本名:ブライアン・バートン)は笑ってそう話す。そのイベントからほどなくして、彼はイギーからマッシュアップアルバムに伴いがちなトラブルを回避するためのアドバイスをもらったという。それから10年以上の時を経てタッグを組んだ2人は、スティーヴン・ギャガンが監督を務めたスリラー映画の主題歌『ゴールド』を書き下ろした。

デンジャー・マウスは同曲のインスピレーション源として、ダニエル・ペンバートンが手がけた西部映画のテーマ曲と、イギーの静かな闘志が垣間見える『アイ・ウォントゥ・ゴー・トゥ・ザ・ビーチ』(2009年作『プレリミナリーズ』に収録)を挙げる。「彼のダークな部分が滲み出したような、ポエトリーリーディングを思わせるあのボーカルからヒントを得たんだ」




同曲の制作は大量のティキが飾られていることで知られる、マイアミのイギーの自宅で進められた。「彼はボーカルについて細かく指示を出してくれたからやりやすかった。プロデューサーっていうのはそうあるべきだからな」イギーはそう話す。「言い回し、イントネーション、母音の発音方法、そういう点のイメージをはっきりと伝えてくれた。そうしていくうちに、歌というよりポエトリーリーディングに近いボーカルスタイルが出来上がっていったんだ」

Translation by Masaaki Yoshida

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