マイケル・アゼラッドの著書『Come as You Are: The Story of Nirvana』は、ニルヴァーナ伝記の決定版とされている。本作『Kurt Cobain: About a Son』は、映画監督のAJ・シュナックがアゼラッドの協力を得て完成させたバンドのドキュメンタリー作品となっている。アゼラッドが行ったコバーンのインタビュー音声(そのテープの長さは合計24時間以上におよぶという)には説得力があるものの、バンド側の協力を得ることができず、ライブ映像なしでの制作を強いられた本作は、ニルヴァーナのファンの支持を集めることはできなかった。その一方で、デス・キャブ・フォー・キューティーズのベン・ギバードが、サブ・ポップとK・レコーズの顔であるスティーヴ・フィスクと組んで手がけた本作のサウンドトラックは、DCFCのファンの注目を集めた。