1970年代初期を代表する20曲

マーヴィン・ゲイ、エルトン・ジョン、キャロル・キングなど、ニクソン大統領時代を代表する20曲 Michael Putland/Gettyimages, Terry O'Niell/Gettyimages, Jim McCrary/Gettyimages


リン・アンダーソン 『ローズ・ガーデン』(1970年)
(原題:Rose Garden)


70年代、カントリー・ミュージックがかつてないほど爆発的な人気を誇り、女性の社会進出も目覚ましかった。ロレッタ・リンの『歌え! ロレッタ愛のために(原題:Coal Miner’s Daughter)』やドリー・パートンの『ジョリーン(原題:Jolene)』がナッシュビルのイメージを変えた、という話は有名である。しかしこの時代にカントリーのクロスオーバーで最もヒットしたのは、カントリー・ソウル界の第一人者ジョー・サウスによって書かれた『ローズ・ガーデン』だった。リン・アンダーソン自身も語っているように、この曲は人々がベトナム戦争で負った傷から立ち直ろうとしている時期と重なり、時代の流れをうまく捉えた。冷たい水を顔に浴びせて人々の目を覚ます前向きな曲である。

ジャニス・ジョプリン 『ミー・アンド・ボビー・マギー』(1971年)
(原題:Me and Bobby McGee)


ケニー・ロジャースからビル・ヘイリーまで多くのシンガーが、クリス・クリストファーソンが書いた移動労働者カップルを題材にしたメランコリックなこの曲をカヴァーした。しかしその世界に没頭し、自由奔放に描くことができたのはジャニス・ジョプリンだけである。彼女の独特な絞り出すハイトーン・ヴォイスのコーダが印象的なこの曲は、彼女の死後にリリースされたというエピソードなどなくとも名曲のひとつになったのは間違いない。『“自由”って、“もう何も失うものがない”のと同じこと』の言葉通り、図らずも人生に幕を引いたジャニス。ブルージーに生きたワイルドなヒッピー女性たちだけでなく、60年代そのものを代表する碑文となった。

レッド・ツェッペリン 『天国への階段』(1971年)
(原題:Stairway to Heaven)


70年代のFMラジオでは、長さも幅も深さもスケールの大きな音楽がもてはやされた。時には聴取者が深みにハマってもうろうとしてしまうこともあったかもしれない。レッド・ツェッペリンは、そんな放送電波を意のままにした唯一のバンドだった。『天国への階段』は8分2秒の長い曲で、曲が進むにつれ神秘的で牧歌的なルネサンス・フォーク・ロックから、メタル・ヒーローと呼ぶにふさわしい激しさを増す。まさに幅の広い曲である。確かにツェッペリンは『天国への階段』よりヘヴィでワイルドになれたし、実際そうなった。しかしどうなってもツェッペリンはツェッペリンだった。

Translation by Smokva Tokyo

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