マイケル・ムーア、大統領選直前に"トランプ勝利"を予言:「トランプ支持者は合法的なテロリストだ」

"小児性愛者から住民を守るように、トランプから人々を守らなければならない"

この映画を観る人々は、私が2時間トランプをボロクソにけなすのを期待しているだろう。でも1映画ファンとして考えてみて欲しい。トランプについて皆が既に知っていることをマイケル・ムーアが蒸し返すのを観て面白いと思うだろうか? イラクで息子を失った両親を非難した、という事実よりも酷いことは思い浮かばなかった。

ー「マイケル・ムーアらしからぬ映画だ」という前評判もありました。今回の大統領選に対する関心が高いのは、興味を惹く要素とトランプの予測不能な性格が理由でしょうか。

その通り。討論会の視聴率が高いのはそういう理由からだ。トランプがいなければ、このような高視聴率にはならなかっただろう。ヒラリーを観るためにテレビをつけたのではない。娯楽番組を観たくてチャンネルを合わせたんだ。トランプは最初から最後までこの茶番を仕切った。だから私はより難しい道を選んだんだ。討論会よりもくだらないマイケル・ムーア流の娯楽映画を作ることは簡単だった。しかし私が選んだ方法は、ドナルド・トランプの写真1枚をステージ上に置きながら彼についてほとんど何も語らない、というものではない。トランプ支持者について多くの時間を割きながらも実はヒラリーについて語る、という難しい表現方法を選んだ。これには、映画が全く面白味のないものになってしまうというリスクもあった。ヒラリーは人々が望む娯楽番組ではなく、人々が注目する列車の大事故のニュースでもない。

ー映画のタイトルを『ヒラリーに恋するマイケル・ムーア』ではなく『マイケル・ムーア・イン・トランプランド』としたのはなぜでしょう? 

そうだね、『ヒラリーへの禁断の恋』っていうタイトルは考えたよ。ただの映画ファンなら、「それは面白い、これからの1時間半、何が起こるかワクワクする。絶対に観たい映画だ。(シェールガス採掘の)フラッキングの映画なんてもう観たくない。"言っていることはわかった。でもこんな映画は嫌いだ"って感じさ。90分間も"フラッキングは我々に悪影響を及ぼします"と言い続けられたらたまらないだろう?」というリアクションをとるんだろうけど。

この映画は今から2週間前に撮影されました。その後、トランプにセクハラを受けたと訴える一連の女性たちが現れましたが、映画撮影時よりもヒラリーが大統領になるチャンスは広がったと思いますか? 

いいや。むしろさらに心配している。投票率が問題だと思うのだが、「トランプの調理は済んだ。あとはフォークで切り刻むだけだ」と感じた多くの人々が自分たちの1票の大切さを忘れ、油断してしまっているようにみえる。これでヒラリーのために投票へ出かける人数が減ってしまうのではないかと感じている。この状況は、ヒラリー支持者を投票所へ向かわせる足を重くするのではないかと思う。

2016年3月に行われたミシガン州の民主党予備選挙で起きたことを思い出して欲しい。全国の世論調査でバーニー・サンダースに8ポイント差をつけ、ミシガンでも20ポイント差でリードしているはずだったヒラリーが、その12時間後に敗北した。一体何が起こったんだ? 世論調査は信用できないし、信じるべきではない。現時点(訳註:大統領選挙直前の10月21日)でもどちらへ転がるかわからない。「プーチンのお気に入りで女性のアソコをつかむような変質者と、どうしてそんな接戦を繰り広げているのだろう?」と人々は疑問に思うだろう。先週、「ヒスパニック系の17%がトランプに投票しようとしている」との世論調査結果が出ていた。それはつまり・・・(怒りの音)

Translation by Smokva Tokyo

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