ルー・リードの必聴アルバム

興奮状態のヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代からワイルドなソロ時代、さらにコラボ作品まで、ルー・リードの膨大なディスコグラフィーから厳選した作品を徹底分析 (Photo Gijsbert Hanekroot/Redferns)


おすすめのアルバム

『ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート(原題:White Light/White Heat)』(1968年)


ヴェルヴェッツのセカンド・アルバムは、アンフェタミンをロケット燃料とし、アンプのボリュームをフルにしたニューヨークのノイズロックの元祖となった。独特の歌い方で、後にニルヴァーナがカヴァーした『ヒア・シー・カムズ・ナウ(原題:Here She Comes Now)』などソフトな曲もある。しかしアルバム全体を通して攻撃的で、特に17分を超える激しい『シスター・レイ(原題:Sister Ray)』は、ヴェルヴェッツの狂乱のライヴの定番となった。


『ローデッド(原題:Loaded)』(1970年)


4枚目のアルバムのリリース前にリードはヴェルヴェッツを脱退してしまい、これが彼のバンドでの最後のアルバムとなった。しかしリードの傑作の数々も収められ、特に『スウィート・ジェーン(原題:Sweet Jane)』や『ロックン・ロール(原題:Rock & Roll)』は名曲である。また『ニュー・エイジ(原題:New Age)』はリードのバラード・コレクションの中でも秀逸な曲で、『オー・スウィート・ナッシン(原題:Oh! Sweet Nuthin’)』は、60年代を引きずる70年代ロックのスピリットを代表する曲と言える。


『ベルリン(原題:Berlin)』(1973年)


リード版プログレッシヴ・ロックで、華麗なオーケストラ的な音楽に乗ってドラッグの後遺症、ドメスティック・ヴァイオレンス、家族の不和などの暗いストーリーが展開される。リリース当初は評論家たちに酷評を受けたことは有名な話である。しかし、『キャロラインのはなし(2)(原題:Caroline Says II)』や『ベッド(原題:The Bed)』など深く共感できるストーリーが展開され、カニエ・スケールの野心と幾重もの皮肉が込められた本アルバムは、今日では傑作として再評価されている。

『ロックン・ロール・アニマル(原題:Rock ’n’ Roll Animal)』(1974年)




性別不詳でドラッグ中毒のロックンロール・モンスターを演じるルー・リードがステージ上で繰り広げるライヴ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの曲を新たな時代に合わせて焼き直し、70年代のギター・ロックの中でも高い評価を与えられるステージである。特に叙事詩的な『スウィート・ジェーン』での激しいプレイは逸品である。


『ブルー・マスク(原題:The Blue Mask)』(1982年)


80年代、リードはクスリを断って結婚もし、ベーシストのフェルナンド・ソーンダース、ヴェルヴェッツを崇拝するポスト・パンクギタリストのロバート・クインと共にポスト・ヴェルヴェッツの彼のキャリアの中で最も激しいバンドを結成した。そうして制作されたアルバムには、ありのままの自分をさらけ出した『マイ・ハウス(原題:My House)』や『アンダーニース・ザ・ボトル(原題:Underneath the Bottle)』に激しくも魅力的にうねるギターを重ね、これまでとは違ったサウンドを生み出した。


『ニューヨーク(原題:New York)』(1989年)


エイズ蔓延の危機に怯えながら、リードは珍しく政治的な語り口調の曲を書いた。ロバート・クインが去り、代わりにマイク・ラスクのより繊細なギターサウンドが加わったことにより、リードが曲を装飾する空間が広がった。そうして生まれたのが都会のラヴストーリー『ロミオ・ハド・ジュリエット(原題:Romeo Had Juliette)』や、『ワイルド・サイド』を歩いてこの世を去った友人たちへのレクイエム『ハロウィン・パレード(原題:Halloween Parade)』である。


『1969〜ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・ライヴ(原題:1969: The Velvet Underground Live)』(1974年)


まるで不安障害を抱えたグレイトフル・デッドのように、きらびやかに変身したロックンロール・ダンス・バンドとして、ステージ上でパワー全開だった時代のヴェルヴェット・アンダーグラウンドを垣間見ることができる。


『メタル・マシン・ミュージック(原題:Metal Machine Music)』(1975年)


シンプルなドローン・ミュージック、ノイズ・セラピー、そして悪ふざけが入り混じったアルバム。1時間以上に渡るギターのフィードバック・サウンドは、ファンや評論家たちを激怒させ、当初は誰にも受け入れられなかったが、後に純粋なきらめくカタルシスとして評価されるようになった。

『コニー・アイランド・ベイビー(原題:Coney Island Baby)』(1976年)

『メタル・マシン・ミュージック』に続いて発表された本アルバムは、ドゥーワップ、ブルックリン、架空のフットボール・コーチ、レイチェルという実在のトランスジェンダーの恋人らへ向けた楽しく軽快なラヴレターである。今なお正当に評価されていないが、再評価されてもいい頃である。


『ストリート・ハッスル(原題:Street Hassle)』(1978年)


流行りのパンクと向き合い、一部はライヴ・レコーディングされた本アルバムへのスプリングスティーンの参加は、特に突飛なことではなかった。ヴェガスのR&B『アイ・ワナ・ビー・ブラック(原題:I Wanna Be Black)』や『リアル・グッド・タイム・トゥギャザー(原題:Real Good Time Together)』を収録。


『テイク・ノー・プリズナーズ(原題:Take No Prisoners)』(1978年)


狂乱のライヴの中でリードは、彼のヒーロー、レニー・ブルースを印象的かつ効果的に仕向けた。有名なリフを弾きながらリードは、ある評論家を「トゥ・ファッカー」とこきおろした。


『ソングス・フォー・ドレラ(原題:Songs for Drella)』(1990年)


ウォーホルの死をきっかけに、リードは再びジョン・ケイルと組むこととなった。2人の完成されたアーティストが共同で師への敬意を表したことよりも、ヴェルヴェッツの再結成の方に価値がある。

『Lulu』(2011年)

メタリカとのコラボ作品には多くのあざけりの声が上がった。しかしデヴィッド・ボウイは本アルバムを「リードの最高傑作」と評している。時が正しい評価を与えるだろう。賛美歌のような『ジュニア・ダッド(原題:Junior Dad)』は繰り返し聴くべきである。

Translation by Smokva Tokyo

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