米国大統領選挙|最終討論会、注目すべきあきれたやりとり17選

Photographer: Daniel Acker/Bloomberg via Getty Images

トランプは大統領選の最終討論会で「ラテン系の悪人」や「嫌な女」など酷い言葉を連発した。

2016年10月19日(現地時間)、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの大統領選へ向けての最終討論会がラスヴェガスで行われた。アメリカ国民を巻き込んだ長い悪夢が間もなく終わりを告げる。或いはまだまだ続くのかもしれない。「敗北した時にそれを受け入れるか」との質問に対しトランプは「その時に考える」などと発言している。2016年米大統領選の直接討論会は今回の最終討論会で25回目を迎えたが、ドナルド・トランプによる最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグに対する侮辱的発言から始まり、最後はクリントンを「嫌な女」呼ばわりした。最終となる討論会を仕切ったクリス・ウォレスは、最初から最後まで両候補者の公平な舵取りに務めた。司会のウォレスは、人工中絶、財政赤字、移民問題などこれまでの討論会であまり突っ込んで議論されなかった問題に関しても、両者へ平等に強く意見を求めた。これまで司会者と対立してきたトランプも、そういうウォレスの方針は大歓迎だったようである。ウォレスからクリントンへのWikileaksへのメール流出問題に関する質問には「ありがとう!」と口を挟んだり、クリントンに対する経済問題に関する質問中も「その通り!」と合いの手を入れたりした。

しかしこの最終討論会も、タイタニック沈没のような大惨事を避けられなかった。以下に、2016年米大統領選の最終討論会のあきれたやり取りを今一度ピックアップしてみよう。

"悪名高い"ギンズバーグ判事との舌戦
トランプ:最高裁がすべての元凶です。最近何が起きているかと言うと、ギンズバーグ判事が、私だけでなくとてつもなく多くの人々、私を支援する何百万という人々に対していわれもない批判を繰り返しました。結局彼女は謝罪せざるを得ず、謝罪しました。しかし、そもそも彼女はそのような発言をすべきでなかったのです。

人工中絶問題
クリントン:妊娠後期で中絶を余儀なくされる場合、それは家族にとってとても悲しく苦しい決断となります。私は、妊娠後期で最悪の宣告を受けた女性たちを知っています。妊娠を続けると自分自身の命にかかわるとか、妊娠中に何か深刻な事態が起こってしまった、という宣告です。私は、合衆国政府がこのような個人的決断に介入すべきではないと考えます。母体の生命と健康に配慮した法制化は可能だと思います。

トランプ:ヒラリーの言う案でいくと、赤ちゃんを普通に取り上げてもいい9週目で、出産直前に無理やり母親の子宮からかき出してしまうことができる、ということになります。それを良しとする人もいるでしょうし、ヒラリーもそうでしょう。しかし私は反対です。

Translation by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE