狂気の絶頂を捉えたレッド・ツェッペリン『狂熱のライヴ』

973年に行われた人気の絶頂にあったバンドの北米ツアーのラストを収めたドキュメンタリー映画とライヴ・アルバム Everett Collection

ドキュメンタリー映画『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』には、1973年に行われた北米ツアーの貴重な映像が収められている。

1973年の夏、レッド・ツェッペリンはバンドの歴史の中でも最大規模の北米ツアーを終えようとしていた。7月にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンへたどり着いた時には既にバンドは消耗しきっていて、メンバーは一日も早く家に帰りたいと思っていた。さらに悪いことに、彼らの宿泊していたマンハッタンのホテルからバンドの多額の売上金が盗まれてしまった。

ベストコンディションとはいえない状況の下で3日間に渡り撮影・録音された『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ(原題:The Song Remains the Same)』とライヴ・アルバムは、ファンやバンドのメンバーにさえもあまり評判がよくなかった。コンサートのシーンと幻想的に作られた映像とがミックスされた2枚組のドキュメント映画は、1975年にロバート・プラントが交通事故でツアーを続行できなくなってしまった穴埋めとして公開された。

しかし映画には、長いストラップの低い位置から繰り出すジミー・ペイジのリフが素晴らしい『祭典の日(原題:Celebration Day)』、『ノー・クォーター(原題:No Quarter)』のサイケデリックな即興演奏、『モビー・ディック(原題:Moby Dick)』でのボーナムの壮大なドラムソロなど、多くの見どころがある。2007年、ジミー・ペイジはサウンドトラックをリマスターしてサウンドをクリアにし、さらに未発表だった曲も加えてリイシューした。『ブラック・ドッグ(原題:Black Dog)』でのプラントとオーディエンスのかけ合いは見ものである。

『天国への階段(原題:Stairway to Heaven)』の途中でプラントが、オーディエンスへ「みんな笑い方を忘れたのか?」と問いかける有名なシーンは映画のクライマックスのひとつだが、映画には良くも悪くも、抑えきれないパワーとスタミナあふれる若きツェッペリンが駆け抜けた時代の浮き沈みを反映した貴重な姿が収められている。

Translation by Smokva Tokyo

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