デザート・トリップ:疑う者をも黙らせた本物のクラシック・ロックのメガフェス

クラシック・ロックの祭典デザート・トリップでは、伝説的な6組のアーティストたちがパワフルなステージを展開した。(Andy Keilen for Rolling Stone)


デザート・トリップは、ボブ・ディランやザ・フーを含むノスタルジックな出演アーティストや、1,599ドルの3日間通しチケット代と総額1億6000万ドルとも言われる空前の売上額が何かと話題にされた。しかしこのフェスティバルは、ロックの歴史の中で最も競争が激しく休む間もない怒涛の時代を生き残り、今なお現役のソングライターとして円熟味のあるステージを披露しているロックスターたちの饗宴だった。ザ・フーは、2014年から実施しているワールドツアーとほぼ同じセットリストを披露したが、『愛の支配(原題:Love Reign O’er Me)』や『無法の世界(原題:Won’t Get Fooled Again)』で聴かせるロジャー・ダルトリーの素晴らしいシャウトや、ロックオペラ『トミー(原題:Tommy)』のメドレーにおけるピート・タウンゼントのギターとザック・スターキーのドラムのぶつかり合いなど、おなじみのシーンであってもこれまでよりさらにパワフルなステージングを魅せた。ストーンズがビートルズのカヴァー曲を披露すれば、マッカートニーはアンコールに、ストーンズのイギリスにおける最初のナンバー1ヒット曲『アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン(原題:I Wanna Be Your Man)』を返した。「実はジョン・レノンと僕が書いてストーンズにあげた曲だ」と紹介した。

10月7日の日没と共に始まったボブ・ディランのステージは、『雨の日の女(原題:Rainy Day Women #12&35)』や『追憶のハイウェイ(原題:Highway 61 Revisited)』など往年の名曲で始まり、やがて90年代のバラード『メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ(原題:Make You Feel My Love)』から最近の暗い曲『ペイ・イン・ブラッド(原題:Pay in Blood)』まで彼の歴史を辿る曲が並んだ。そして1965年に戻り、『廃墟の街(原題:Desolation Row)を電子楽器版で披露した。ステージの巨大スクリーンにディランの姿はほとんど映されず、古いニュース映画が流された。ステージが始まって数曲目で、モニターに映った自分の姿が気に入らないからと、ディランがステージのカメラを止めさせたとも言われている。

プロデューサーのドン・ウォズは翌日のバックステージでSirius XMのインタヴューに答え、「これまでで最高のボブ・ディランのステージだった。まったく無駄がなく、バンドも素晴らしかった。曲は必ずしもボブの考え方と一致しているとは限らないが、彼のグルーヴは何十年も続いている」と絶賛した。ストーンズのニューアルバムをプロデュースしたウォズはまた、ストーンズがステージへ向かう姿も見ている。「彼らはとてもリラックスした感じで、ステージを心から楽しんでいた」。ビートルズのカヴァー曲を披露したことに関しては、「たぶん、リハーサルの時に冗談半分でやってみたものの延長だったんだろう」と語った。

Translation by Smokva Tokyo

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