全米大ヒット時の人となったフィーメール・ラッパー、ヤング・M.A.とは?

2016年のBETヒップホップ・アウォード出演時のヤング・M.A.(Photo by Paras Griffin/BET/Getty Images for BET)


ーヒップホップ・ポリスとのトラブルを経験したことはありますか?ボビー・シュマーダ、最近だとデザイナー等、ニューヨークで話題を集めるラッパーは彼らに目をつけられがちです。

『Ooouuu』が話題になる前から、私は目をつけられてるっぽかった。至るところでやつらに遭遇したから。私が出演するイベントに必ずと言っていいほど来てる男がいて、出席率はほぼ100パーセントだった。曲が話題になり始めると、そいつを見かける機会がさらに増えた。でも別に気にしてない。私は周りのバカみたいに、好き放題やってやつらに捕まったりしない。このゲームの生き延び方を、私たちはよく知ってる。それに私は仕事で忙しいから、しょうもないトラブルに首を突っ込んでる時間なんてないしね。

ーあなたのフロウ(歌い方)はとても個性的です。どうやって身につけたのですか?

うーん、それは自分でもわかんないな。

ー質問が曖昧すぎたかもしれませんね。ではラッパーとして、どのように自分を磨いていきましたか?

子供の頃からいろいろと研究してた。音楽業界の動向には常に気を配ってたし、音楽番組や名盤の制作秘話のドキュメンタリーDVDなんかもよくチェックしてた。他にもアーティストのインタビューを読み漁ったり、いろんなものを吸収しようと躍起だった。でも数年前のある朝、私は目覚めるやいなやこう誓ったんだ。「私は真実を語るラッパーになる」ってね。それまでの私は、自分が手にしてもいないものばかりについてラップしてた。銀行口座の100万ドル、高級車、豪邸、マンション、どれも私が望んでいるだけで、実際には見たこともないものばかりだった。でも大切なのはありのままの自分を受け入れて、同じように感じている人たちと繋がることだって気づいたんだよ。それ以来肩の荷が下りたかのように、私はより気楽に音楽と向き合えるようになった。どんなテーマについてラップするか、どんな切り口で挑むか、そういうことに頭を悩ませる必要がなくなった。自分が経験したこと、感じたこと、仲間たちが置かれている状況、そういうリアルだけどなかなか口にできないことを、ラップで表現するようになったね。

ー『カーマ・クライズ』では、恋愛感情を見事な切り口で描いていますね。

『カーマ・クライズ』がすごくリアルなのは、実体験に基づいているからだよ。あの曲で語られているのは、すべて私が経験したこと。あのボイスメールは元カノが実際に私の携帯に残したもので、音声をマイクで拾ってトラックに乗せたんだ。あの曲で歌われていることは、恋人のいる人なら誰でも身に覚えがあると思う。だから多くの人が共感してくれたんじゃないかな。恋人に対する私の思い、私が彼女にしたこと、そして私がそれを悔やんでいること、そういうのがストレートに表現されている。傷付いた彼女が怒りを露わにするボイスメールの部分は、曲をよりリアルにしていると思う。恋人同士にはいつでも互いの言い分があって、片方だけを一方的に主張するのはフェアじゃないし、そういうものに人は共感しないから。

Translation by Masaaki Yoshida

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