全米大ヒット時の人となったフィーメール・ラッパー、ヤング・M.A.とは?

2016年のBETヒップホップ・アウォード出演時のヤング・M.A.(Photo by Paras Griffin/BET/Getty Images for BET)

スターダムを駆け上がったブルックリン出身のフィーメール・ラッパー、ヤング・M.A.が、成功までの長い道のり、そして『Empire 成功の代償』への出演を断った理由について語る。

ニューヨークのラップシーンにおいて、ヤング・M.A.の台頭はこの夏最大の番狂わせのひとつだった。ブルックリン出身の彼女は2014年に、故ヤング・パピーのトラックと評論家ボイス・ワトキンスの怒りに満ちた詩の融合と言われた『シャイラク(フリースタイル)』でシーンに登場した。その翌年には過激なバトルラップ『ボディ・バッグ』がユーチューブを中心に話題を呼び、続いて発表されたミックステープ『スリープウォーキン』も大きな注目を集めた。その時点での彼女は、アンクル・マーダやチンクス、そして多くのニューヨークのラッパーがそうであったように、メインストリームでの成功には恵まれずとも、小さなコミュニティの中で確固たる地位を築き上げていくタイプだと見なされていた。しかし、『Ooouuu』の大ヒットは状況を一変させた。

ギャングスタのライフスタイルを讃えるクラブアンセム『Ooouuu』は、ストリートでの人気がインターネットによって世界中に拡散され、現在はビルボードHot100において67位にランクインしている。同曲はこれまでに、ニッキー・ミナージュ、ザ・ゲーム、ミーク・ミル等によってリミックスされている。

「この夏はメチャクチャ忙しかったけど、すごく充実してた」未だ本名を明かしていない24歳のMCはそう話す。『ヘニー・ダンス』や『Ooouuu』での過激な歌詞をトレードマークとする彼女が、『Empire 成功の代償』への出演を断った理由、ヒップホップ・ポリスとのトラブルを回避する方法、そして名声を手にしても変わることのない姿勢などについて語ってくれた。

ーあなたはラッパーとしてのキャリアをずっと昔にスタートさせています。地道に努力を重ねた結果、脚光を浴びるようになった現在の心境はいかがですか?

自分たちのペースで活動を続けてきたから、大きなプレッシャーを感じることなくここまでやって来れた。流れに身を任せてやってきた結果、今の自分があるっていう感じ。特に目標も決めずに、ただやりたいようにやってきたんだ。(スタジオで)頭に浮かんだことを、ただマイクに吹き込んでただけ。締め切りに追われたりしないで、ただ気楽にやりたいことを続けているうちに、ここまで来てたって感じだね。

ー『Ooouuu』はミックステープやアルバムに収録されるのか、それとも単発のシングル曲扱いなのでしょうか?

近いうちに発表するミックステープに収録されるよ。『スリープウォーキン』は2015年11月4日に発表したんだけど、今年の同日に『Ooouuu』と『サマー・ストーリー』を収録した『スリープウォーキン2』をドロップする予定だよ。

Translation by Masaaki Yoshida

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