ニルヴァーナ『ネヴァーマインド』、知られざる10の真実

(Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic)


3. アルバムの当初のタイトルは『シープ』だった。

バンドが脚光を浴びるようになってからもパンクの精神を忘れなかったコバーンだが、彼はニルヴァーナが秘めた計り知れない可能性を十分に自覚していた。バンドをめぐる状況を茶化すかのように、彼はニルヴァーナを崇める人々を群がる羊に例える内輪のジョークにちなんで、セカンドアルバムのタイトルを『シープ』とするつもりだった。彼は「誰もが求めるから、僕は興味がない」というスローガンを掲げた偽の広告を作っただけでなく、「Bowling Stoned誌の表紙を2度飾り、Thyme誌とNewsweak誌によって『現在最もオリジナルで影響力のあるバンド』と評される」という、皮肉にも後に事実となる偽のバイオグラフィーを公開した。

4.『ネヴァーマインド』には、デイヴ・グロール以外のドラマーも参加している。

ニルヴァーナがスマート・スタジオでヴィグとレコーディングを開始した時点では、デビューアルバム『ブリーチ』(1989年作)の大半でドラムを担当したチャド・チャニングは、まだメンバーとしてバンドに在籍していた。『ポリー』でドラムを叩いているのは彼だが、アルバムの発売当初はその名前がクレジットされていなかった。グロールはバンドにとって、5人目にして最後のドラマーとなった。

5. ヴィグがカート・コバーンにヴォーカルの2重録りをさせた理由は「ジョン・レノンがやっていたから」

『ネヴァーマインド』はラフなエッジを残す一方で、そのサウンドには独特の馴染みやすさがある。重ねられたコバーンのヴォーカルはその要因のひとつであり、曲に重みを持たせるとともに、圧倒的なシャウトに一層の迫力をもたらしている。そのテクニックをビートルズのプロデューサーであるジョージ・マーティンから学んだというヴィグは、コバーンを納得させるためにはジョン・レノンの例を持ちだす必要があったとしている。「彼はそういうやり方をフェイクだとみなしていた」今年3月にマーティンがこの世を去った際に、取材に応じたヴィグはそう語っている。レノンがいかにそのテクニックを多用したかということを説明されたコバーンは、「ほぼ全部の曲でヴォーカルを重ねることになった」という。



6. ヒドゥン・トラック『エンドレス、ネームレス』は、アルバムのイニシャルプレスには収録されていなかった。

『エンドレス、ネームレス』は、コバーンがギターパートの決定に苦心していた『リチウム』のレコーディングセッション時に誕生した。このノイジーでアグレッシブなサウンドを気に入ったヴィグの提案により、同曲は本編の最後を飾るバラード『サムシング・イン・ザ・ウェイ』の終了から10分後に収録されることになった。アルバムのマスタリングを担当したハウィー・ウェインバーグによると、アルバムのイニシャルプレスに『エンドレス、ネームレス』が収録されていなかったのは、同曲の収録が口頭での指示によるもので、正式に決定されていなかったためだという。問題の発覚後、アルバムは同曲を追加して再プレスされた。

Translation by Masaaki Yoshida

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