メタリカのメンバー全員が語る、新譜、気になる新人から故レミー・キルミスターまで

メタリカはSiriusXM's Town Hallで行われたファン・ミーティングで、レミー・キルミスターに捧げた曲のこと、通称『ブラック・アルバム』の継続的な成功などについて語った。 (Photo by Michael Kovac/Getty Images)

メタル界の重鎮メタリカが、米デジタルラジオのSiriusXMで行われたファン・ミーティングで、ニューアルバム『Hardwired ... to Self-Destruct』や最近期になる新人バンドのことを語った。

現地時間2016年9月26日、メタリカの面々がSiriusXMの番組『Town Hall』収録のためニューヨークにあるスタジオに姿を現し、集まったファンからの質問に直接答えた。バンドは、11月18日にアルバム『Hardwired ... to Self-Destruct』をリリース予定である。メンバーのジェイムズ・ヘットフィールド、カーク・ハメット、ロバート・トゥルージロ、ラーズ・ウルリッヒは上機嫌で、ファンからの鋭い質問もためらいなく受けて立った。番組『Mandatory Metallica(チャンネル37)』は米東部標準時間の11月17日午後5時まで解禁されないが、ファン・ミーティングを潜入取材したローリングストーン誌が放送に先立ち、盛り上がったやり取りを特別に紹介する。

1. ロック畑以外からのプロデューサーの起用

ニューアルバムのプロデューサーについて「"誰か新しい人にしようか"、とか"有名なプロデューサーにしようか"、とメンバーで話し合った時に、"いっそのこと大きく目先を変えてロックを知らない人にしようぜ"ってことになったんだ」とヘットフィールドが明かした。そして、2008年のアルバム『デス・マグネティック(原題:Death Magnetic)』でエンジニアを務めたグレッグ・フィデルマンに白羽の矢が立った。「いろいろ検討してみた結果、お互い気心の知れたグレッグに頼むことにしたんだ」とヘットフィールドは続けた。「グレッグの担当した(メタリカの2003年のコンサート映画)『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー(原題:Through the Never)』のサウンドはパワフルで壮大だった。彼を使わない手はないってバンド全員が思ったんだ」。

2. リフ作りに絶対の自信を持つメタリカ

曲作りの際、「どのように良くないアイディアを削ぎ落としていくか?」との質問に対しウルリッヒは、「それが問題になることはほとんどない」と答えた。「それよりもこのバンドにとって大きな問題は、曲作りのための素材のストックが多すぎるってことなんだ。ジェイムズはギターを持った途端に新しいリフのアイディアが生まれてくるんだ。ジェイムズがギターをチューニングしながら、"ちょっと待って。これ、録音してよ"って感じさ。そこで俺は"1月27日2時53分"って記録しておくんだ」。そこへヘットフィールドが口を挟んだ。「すげぇ迷惑なんだよね。自分のギターのチューニングもできやしない」。構わずウルリッヒは続ける。「このバンドの問題は、そうした数百もあるギターリフのストックの中からAAA+をどうやって見つけるかってことなんだ。でも1曲にはせいぜい20個しか使えない。そうしないと"リフからAメロ、Bメロ、サビまでどうやってつなぐんだ?"って話になるから。でも本当に素晴らしいリフのコレクションがあるから、"リフのガレージセールでもやろうか"って話しているんだ。俺たちの作ったリフを使いたいってバンドがいたら、そのリフを提供しようっていうアイディアさ。俺たちは今素晴らしいリフの山に埋もれてるんだ」。

Translation by Smokva Tokyo

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