マック・ミラーが語る、新作と噂の恋人アリアナ・グランデとのコラボ

─EP『Faces』の『Grand Finale』といった悲観的な曲から、今作の『Cinderella』のような穏やかな愛を歌った曲というように、大きな方向転換をしてますよね。

俺の音楽が実際の生活での感情に基づいてるって、俺は強く信じてる。俺が味わう気持ちは、音楽にも表れるんだ。人生のジェットコースターに乗って、音楽を作り続けてる。だから、俺の音楽もその感情に基づいてるんだ。でも、ADDなんだよね。何をするか、どんな音楽を作るか決めるのに苦労してる。自分でも分からなくてね。ただ、生活のために音楽を作ってるんだ。決断できないね。退屈っていう理由だけで、ジャズ・アルバムを作ったこともあるんだ。「待てよ。インスピレーションを失ってる。50歳のラウンジ歌手に変身しようじゃないか」って感じで。才能があって、アーティストとして、いろんなジャンルをかじることができることを幸せに思ってる。まぁ、全部ちゃんとしたものだけど。

─ファンもついてきてますね。

幸運なことに、ファンはまだ俺から離れていってないんだ。ちょっとした運なのかもしれないね。そのことに関して上手くやれるタイプなのかもしれない。分からない。もしかしたら、俺が「このアルバムはポルカのアルバムだ」とか言い始めたら、ファンは「何だって?」ってなるかもね。でも、ファンはそうならないと俺は思ってる。「やっと、ポルカのアルバムを作ってるのか。それこそ、本物の君だよ!」ってきっとなるんじゃないかな。音楽とサウンドを試すことを楽しんでて、じっとしてられないだけなんだ。快適ゾーンってのが見つけられなくて。一つのジャンルに絞ると、あまりにもビジネスって感じになるでしょ。そういうのは好きじゃないんだ。

─ヒップホップ界にとって、今が特にクリエイティヴな時代なのでしょうか?チャンス・ザ・ラッパーといったアーティストが、ヒップホップというジャンルの境界線を押し上げてる中で、昔に比べてサウンドを試す機会がかなり多くあるように思えるのですが。

絶え間なく進化することなんだよね。既に挑戦されたことだけに留まれない、クリエイティヴな人間がたくさんいるんだ。そこにはルールなんてない。音楽だから。今の状態がすごく良いと思ってる。そこに存在する精神と、境界線が押し上がってることが、すごく良いと思ってる。でもね、実際にはそこに境界線なんてないんだ。そういう風であるべきなんだよね。自分を信じて、自分が好きなことをやってる人がいて、そうすることでより大きなファン層を説得してるんだ。そういう人たちは、どうやってラジオで曲を流してもらえるかを考えるために、そこに座ってるんじゃない。自分が作れる一番の音楽を作る方法を考えるために、そこに座ってるんだ。今の状態に満足なんてしてないんだよね。俺自身の唯一の目標は、さらに進化し続けることだった。俺が望んでるのはそれだけ。まぁ、どうなるか見てみるだけさ。でも、自分がやっていることは、一番でいたいんだ。


「絵を描くためのキャンバスを彼女にあげたら、とても美しい絵を描いてくれるよ」とマックはアリアナ・グランデについて話す。 (Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic)

Translation by Miori Aien

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