グリーン・デイの不屈なリリック・ビデオ『スティル・ブリージング』を見る

新曲『スティル・ブリージング』を語ったビリー・ジョー・アームストロング。(Photo by Miikka Skaffari/FilmMagic)

"だって、おれはまだ自分でちゃんと息をしてる/おれの頭は雨とバラの上にある"と、ビリー・ジョー・アームストロングは静かに燃え上がるロック魂で歌う。

グリーン・デイは、ニュー・アルバム『レボリューション・レディオ』から3曲目となる『スティル・ブリージング』のリリック・ビデオを公開した。

テンポの速いパンク曲『バン・バン』と『レボリューション・レディオ』に続くリリースとなった『スティル・ブリージング』で、ビリー・ジョー・アームストロングはテンポを抑え、静かな闘志を込めてさまざまな状況からのサバイバルを歌いながら、アームストロング自身の薬物中毒の克服を暗に示唆している。

"おれは、最後の一回と決めて腕を縛るジャンキーみたいだ/おれは、最後のチャンスに賭ける負け犬みたいだ/ああ、おれはまだ生きてる"と、アームストロングは歌う。"おれは、父親のいない家庭で育てられたガキみたいだ/おれは、そんな状況を何とかしようとあがく母親みたいだ/ああ、おれはまだ生きてる"。

"だって、おれはまだ自分でちゃんと息をしてる/おれの頭は雨とバラの上にある/おれ自身の道を作るんだ/だって、おれはまだ自分でちゃんと息をしてる"と、アームストロングは感情を奮い立たせるようなコーラスで歌う。

10月7日に発売されるニュー・アルバム『レボリューション・レディオ』を一曲毎に解説したローリングストーンのインタヴューで、アームストロングは「あれはとても重い曲だった。たまにそういう重いことから逃げ出したくなるよ。だけど、時として逃げられないこともあるんだ」と『スティル・ブリージング』について語っている。コーラスの"おれはまだ自分でちゃんと息をしてる"という歌詞には、「みんないつかは生命維持装置のお世話になるんだ」というアームストロングの達観した思いが込められている。「時が経つにつれ、考え方は暗くなるもんだよ」。

アームストロングとバンド・メンバーは"まだ息をしている“ものの、呼吸器系の感染症によって、今秋ツアーの3公演を延期し、9月23日のトロント公演に関してはキャンセルを余儀なくされた。そのため、同ツアーは9月24日デトロイト公演で幕を開けることとなった。

Translation by Sahoko Yamazaki

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE