イギー・ポップ&ストゥージズのドキュメンタリー映画より、有名な「ピーナッツ・バター事件」を見る

イギー・ポップ&ストゥージズのドキュメンタリー映画から、かの有名なイギーの「ピーナッツバター事件」を見る。(Photo by Tom Copi/Michael Ochs Archive/Getty Images)

ジム・ジャームッシュ監督の最新映画『ギミー・デンジャー』からの先出し映像を紹介。


ジム・ジャームッシュ監督の最新作『ギミー・デンジャー(原題)』は、イギー・ポップ&ストゥージズの伝説を振り返るドキュメンタリー映画だ。9月8日(現地時間)にトロント国際映画祭でプレミア上映された同映画は、10月28日にニューヨーク、11月4日にロサンゼルスでプレミア上演されることが決まっている。

上の映像には、イギーの悪名高い「ピーナッツバター事件」の様子が収められている。「ピーナッツバター事件」とは、70年6月に米オハイオ州シンシナティで、アルバム『ファン・ハウス』に収録されたエネルギッシュな『1970』のエクステンデッド・バージョンのパフォーマンス中に、観客の手の上に立ったイギーが、ピーナッツバターを上半身に塗りたくったり、観客にまき散らした事件のことだ。映像では、「(CMで)中断している間に、イギーは3回も観客の中に飛び込んでいました」というアナウンサーの言葉を聞き取ることができる。

ナレーションでイギーは、ストゥージズはステージ・パフォーマンスが全てだったと話している。「メンバーは、いつでもクレイジーなパフォーマンスの瞬間を分かってて、全く動かなかったんだ」。イギーはこう説明する。「40分間で、ドラマーは一度も目線をあげることはないし、他の2人は動いても1、2歩かな」

「彼のライヴの動きは、その瞬間が人生最大の時間だってことに気付かせてくれる」。こう話すのは、近年のストゥージズのツアーでベースを担当したマイク・ワットだ。「何が起きているかを理解するのが大変な瞬間なんだ。なんたって、凄い速さで料理する料理人のような気分になるから。俺はみんなの注文を受けないといけないんだ。君はフライドポテトが欲しいのか?君はシェイク?彼は頭の中で、観客に飛び込むぞって言ってるんだ」

『ギミー・デンジャー』にはイギーとマイクの他に、ストゥージズのロン・アシュトンとスコット・アシュトン、ギターのジェームズ・ウィリアムソン、サックスのスティーヴ・マッケイ、アシュトン兄弟の妹のキャシー、マネージャーのダニー・フィールズが登場する。

ジャームッシュ監督は2010年に、ローリングストーン誌に同ドキュメンタリー映画について語っていた。「1年くらい前に、イギーが僕に頼んできたことなんだ。彼は、僕がストゥージズのファンだってことを知ってたからね。映画は、イギー・ポップ、あるいは彼の人生やキャリアを総括したものじゃないんだ。もちろん、音楽史におけるストゥージズの存在はかなり重要で、確実にイギーがその原動力なんだけどね」



Translation by Miori Aien

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