チケット自動購入ソフト"チケットボット"と音楽業界終わりなき戦い

アデル、チャンス・ザ・ラッパー、リン・マニュエル・ミランダをはじめ多くのアーティストが、チケット自動購入ソフト"チケットボット"を非難している。しかしファンにとってデメリットなのか?(Photo by Jahi Chikwendiu/The Washington Post via Getty Images)


それでもなおチケットボットに闘いを挑むアーティストもいる。ツアーの女王アデルは、ダフ屋やブローカーが良い席を入手する行為を阻もうと努力してきた。アデルは、アリーナツアーの良い方の席から3,000席のチケットを持った観客が入場する際、クレジットカードの提示を求めた。チャンス・ザ・ラッパーは、「チケットの転売者は、音楽を好きでもないくせにちっぽけな投資で儲けようとするケチで無能な奴らだ」とツイートし、彼の「Magnificent Coloring Book Festival」のチケットは公式サイトを通じて25ドルで販売する、と宣言した。しかし、これらの対策もあまり効果を発揮していない。アデルは2016年9月のマディソン・スクエア・ガーデンでのコンサートチケット価格を40〜150ドルに設定したが、StubHubでは9,500ドルで販売され、同サイトの夏のベストセラー・アーティストとなった。また、チャンス・ザ・ラッパーのチケットは500ドル前後で売買されている。

StubHub、Ticketmaster、National Association for Ticket Brokers(NATB)など、チャック・シューマー議員の法案に賛同するチケット販売にかかわる団体もある。「チケットボットは市場を崩壊させ、消費者やファンに損害を与える。システムの悪用はよくないし、問題解決のために法律が必要だ」と、StubHubの法務と広報の責任者であるトッド・コーエンは主張する。

チケットボットがなくても、プレミアムシートを入手するのはとても困難なため、結局ファンは正規チケットの販売開始直後(場合によっては販売開始前)にチケット売買サイトへ行って望みのチケットを購入することになる。ニューヨークのエリック・シュナイダーマン司法長官は、2016年初頭に発表したレポートの中で、チケットの転売行為を「出来レース」と呼び、チケットの46%を業界の身内向けに確保しているアーティスト、プロモーター、コンサート会場を非難した。NATBの常任理事ゲイリー・アドラーも「彼らは、流通できるチケット枚数が少ないということを公に知られたくないのだ」と指摘している。

Translation by Smokva Tokyo

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