パール・ジャムの名盤『Ten』:あなたが知らなかった10のこと

パール・ジャムの1991年のグランジ最高傑作『Ten』について、あまり知られていない事実を見てみよう。 (Photo by Paul Bergen/Redferns)


7. アルバム・ジャケットの「Pearl Jam」というレタリングは、ジェフ・アメンが作った巨大なパネルだった。
『Ten』のアルバム・ジャケットは、「Pearl Jam」という文字の上にバンドメンバーが重なっているように見えるデザインだが、これは彼らが実際に「Pearl Jam」という巨大な木製パネルの前で「オール・フォー・ワン」ポーズを取り、フォトグラファーのランス・マーサーが撮影したものである。なお、このパネルをデザインし作成したのは、オリジナル・アルバムのパッケージングのアート・ディレクターを務めたジェフ・アメンだった。「俺たちの後ろにあるあの文字は本当にあのサイズだったんだ!ジェフは本当にすごいアーティストだよ」と、2009年、デイヴ・クルーセンは振り返っている。

8. エピック・レコードは『Black』をシングルとしてリリースしたがっていたが、バンドに拒否された。
1992年、『Ten』はチャートの順位も好調で、『Alive』や『Even Flow』、『Jeremy』もすべて正真正銘のヒット曲となり、エピック・レコードは感動的なバラード『Black』をシングルとしてリリースしようとプッシュし始めた。バンドは、この曲は非常に私的な曲であるため、ラジオでの大々的な宣伝には使えない(ミュージックビデオの制作が避けられないのは言うまでもないが)と感じ、リリースに同意しなかった。「チャートの2位や3位に入れるためにプレイしない曲もなかにはある。そういうことをし始めたら、失敗するだろう。俺たちが曲を作るのはそういう目的じゃないから。俺たちはヒットさせようとして作曲したわけじゃない」と、1993年、ヴェダーはキャメロン・クロウとローリングストーン誌に語っている。だが、リスナーの希望を察知した全国のラジオ番組制作者たちは、自ら行動を起こしてこの曲をラジオで流すようになった。その結果、『Black』は1993年にビルボードのメインストリーム・ロック・トラックス・チャートで3位にランクインした。

9. 『Ten』のレコード盤は、CDリリースから3年以上経つまで米国でリリースされなかった。
1991年8月、『Ten』が初めてリリースされた頃、アメリカのメジャー・レーベルの間では、より利益の多いCDの方を好み、レコード盤の生産をすぐにでも廃止しようとする動きがあった。今日では、レコード盤がリリースされるのは主に超人気アーティストの新譜だけだが、『Ten』が全米でゴールド・ディスクを獲得し、さらに13回もプラチナ・ディスク認定を受けるなど、エピック・レコードの誰ひとりとして予期していなかったため、会社はアメリカ市場でレコード盤を出すことを検討すらしていなかった(だが、他のいくつかの国ではレコード盤でもリリースされていた)。「会社はレコード盤を出してくれなかったんだ。当時の俺は確かCDプレイヤーも持っていなかったから、そのことがすごくショックだったよ」と、2009年、ジェフ・アメンはデイリー・レコード紙に語っている。『Ten』の米国版オリジナル・レコードの著作権表示には1991年と書かれているが、実際に米国でレコード盤がリリースされたのは1994年11月22日だ。この日は、パール・ジャムのサード・アルバム『ヴァイタロジー<生命学>』(先行シングル『スピン・ザ・ブラック・サークル<黒き輪を回せ>』が収録されている)のレコード盤がリリースされた日でもある。

10. ビリー・レイ・サイラスがいなければ、『Ten』は1992年に全米アルバム・チャート1位を獲得していただろう。
パール・ジャムはゆっくりだが着実に人気を築いていたが、1992年のロラパルーザのツアーで伝説的なライヴを披露したことにより急激に人気が加速した。そして、リリースから丸1年ほど経った1992年8月、『Ten』はついにビルボード200チャートの上位に入ったのだ。しかし残念ながら、パール・ジャムのチャート1位への道のりはビリー・レイ・サイラスに妨害されてしまった。バンドの1位獲得を阻止したサイラスのデビュー・アルバム『Some Gave All』は、1992年の春から秋にわたり17週連続1位という圧倒的な記録を残している。『Ten』は同年8月から10月にかけて計4回、チャート2位にランクインしたが、マレットヘアのマイリーの父親から1位の座を奪えるほど売り上げが伸びなかった。










Translation by Shizuka De Luca

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