ウィルコの新曲『サムワン・トゥ・ルーズ』を聴く

最新作『シュミルコ』から、どこかひねくれたフォーク調の新曲『サムワン・トゥ・ルーズ』を公開したウィルコ(Photo by Zoran Hires)

アコースティック・サウンド中心の10枚目のアルバム『シュミルコ』に収録

「いつか君が、やがて君の前からいなくなる人と出会えるよう願っているよ」来月リリースされるウィルコの10枚目のアルバム『シュミルコ』のハイライトと言えるこの曲で、ジェフ・トゥイーディはそう歌う。ぼんやりとしたベースラインとミニマルなドラム、そしてトゥイーディーのどこか儚いアコースティック・ギターが出色の『サムワン・トゥ・ルーズ』だが、単なるレイドバック・トラックにはさせるまいと言わんばかりに、コーラス部では歪んだエレキギターが唸りを上げる。

今回発表された『(サムワン・トゥ・)ルーズ』に先駆け、『シュミルコ』からは既にカントリー調の『イフ・アイ・エヴァー・ワズ・ア・チャイルド』、ベースラインがリードするノイズポップ『ロケーター』の2曲が公開されている。9月9日にdBpmからリリースされる、アコースティックなサウンドを中心とした12曲入りの新作では、バンドに対する自身の見解と世間のイメージのギャップについての歌詞が数多く見られる。

「このアルバムを形容するなら『楽しくなるほどにネガティブ』だね」トゥイーディーはそう話す。「悲しい内容が多いんだけど、どこか笑い飛ばせるようなムードがあるんだ。俺はただムカつくことに対して愚痴をこぼすのを楽しんでたんだよ」

ウィルコは2015年に、当初無料で配信される予定だった『スター・ウォーズ』を正式にリリースしている。昨年行われたローリングストーン誌のインタビューで、トゥイーディはバンドが既に『スター・ウォーズ』とは大幅に異なる次回作を完成させていると発言していた。「この曲群が『シュミルコ』に収録されているのは、それがただ今のバンドのムードに合ってるからだよ。あとこの作品では、ある一定のテンポよりも早い曲を中心に収録することを決めてたんだ」



WILCO 日本公式HP
http://wmg.jp/artist/wilco/

Translation by Masaaki Yoshida

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