ビリー・ジョー・アームストロングが語る、グリーン・デイの挑発的なニュー・アルバムの内幕

─直前の3作は、非常に野心的なものでした。今回は全く違うアプローチを取ろうとしたと理解してますが。

そう。やってみなきゃ分からないよね。『ウノ!』、『ドス!』、『トレ!』 は、ライティング・マシーンみたいなもので、何があっても突き進まなきゃいけなかった。作品を強引に作ったとさえ言える。今回はそれとは正反対で、成り行きに任せて、あとはどうなるか見るっていう感じ。

 ─あの3作には素晴らしい曲が数多く収録されていますよね。一気に消化しきれなかった人もいたんだと感じています。

そう思う(大笑い)?!かなり良い曲があったと思ってる。あれをもう一度やる機会があったら、おそらく俺はやるだろうね。・・・作品の意図は、より即席で生のサウンドを出すことだったんだけど、その逆になってしまったんだ。でも、そういう曲も気に入ってる。作るのが楽しいアルバムだったね。

─『バン・バン』について教えてもらえますか?何からインスピレーションを受けたかも含めて。あなたの返答に影響を与えたくないのですが、銃乱射事件の犯人の主観を歌った曲のように聴こえます。

そうなんだ。アメリカの銃乱射文化に自己陶酔的なソーシャルメディアが入り交じったものを歌ってるんだ。みんな激怒してるんだけど、今ってその全部が記録されてて、俺たちみんな監視下に置かれてるんだよね。それってかなり歪んでると俺は思うんだ。そうやって人の頭の中に入り込むのは、恐ろしいことだしゾッとした。曲を書いた後は、ただ頭からその思考を取り出したかった。だって、マジで怖かったから。

─その人物の頭に入り込んで、凶行を実行するという正気でない思考を理解することが目的だったのですか?

それを理解しようとしてたわけではなくて、俺はただ、その人物について理解しようとしただけなんだ。恐ろしいことをしようと考える理由が分からないんだ。だって、俺はそんなこと一生やろうと思わないから。それから大げさに言うわけじゃないけど、そこには文化も少し反映されてるんだ。

─過去20年の間、アルバム制作の際にプロデューサーとタッグを組んできましたよね。なぜ今回はセルフ・プロデュースすることにしたのでしょうか?

「俺たち3人と(音響)エンジニアのクリス・デューガンで(スタジオに)入って、自分たちだけでやろう」っていう感じだったんだ。 今回は、スタジオに入って自分たちの力でやるっていう自由を味わいたかっただけ。俺たちの間には誰も関わっていないから、みんなで一緒に取り組まないといけない。だから、まとまっていく様子を見るのは本当に興味深いものがあった。今回のアルバムのトレのドラムは、過去最高だと思う。それと同じことをマイクのベースにも言えるね。彼、ベースを弾くにあたっての理論を勉強し始めてさ。レッスンまで受けてたんだ。際立ったベースラインを聴けるのは、マジで良かった。

Translation by Miori Aien

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE