グリーン・デイにとって『レボリューション・レディオ』は、2012年にビリーが処方薬依存でリハビリ施設に入居して以来初のアルバムである。ビリーのリハビリ施設入りは、同年にリリースされたアルバム『ウノ!』、『ドス!』、『トレ!』 に伴う数々のツアー日程の延期を余儀なくした。復活を果たしたビリーだったが、その直後、バンドにはさらなる困難が立ちはだかった。というのも2014年に、ベースのマイク・ダーントの妻ブリトニーが乳癌を患い、そのすぐ後にツアーギタリストのジェイソン・ホワイトが扁桃腺癌であることが判明したのだ。その結果『ウノ!』、『ドス!』、『トレ!』に続くアルバムの話は白紙に戻っていたが、幸いにも2015年末までにブリトニーとジェイソンの症状は落ち着き、グリーン・デイは2000年の『ウォーニング』以来初となるセルフ・プロデュース・アルバムを制作するため、カリフォルニア州オークランドにあるスタジオに入ることになったのだ。
ローリングストーン誌はビリーから、アルバム『レボリューション・レディオ』、過去数年間のバンドの苦悩、『ウノ!』、『ドス!』、『トレ!』に対する賛否両論、そして今後のワールド・ツアーについて話しを聞いた。
─4年間の活動休止でしたね。当初、これほど長く休む予定だったのですか?
自然にそうなったんだ。たまたま長く休むことになっただけ。すぐに何かを始めようっていう努力も実際にしてなくて。「よし、アルバムに取り掛かろう!」なんてこともなかった。『ウノ!』『ドス!』『トレ!』のツアーの次の日に、俺たちはただ休みを取ることにしたんだ。ほら、みんなの生活は忙しいわけで。それで急に、どこからともなく何曲か思いついたんだ。そんな感じで始まったってわけ。
─活動再開にあたって最初に取り掛かった曲は?
オークランドに作った新しいスタジオに移って、いろんなリフを試してみたんだ。俺が最初に「おっ、これは良いかも」って感じたのは、『バン・バン』。その次が、アルバムの一曲目の『サムウェア・ナウ』。デモを作ってマイクとトレに聴かせたんだ。テストだね。で、二人ともかなり気に入ってくれたんだ。
─それはいつの話ですか?
2年前さ。
─曲作りをあまりしていなかったのは、2年間ということでしょうか?
映画(『ギーザー(原題)』)に出演して、映画のために『オーディナリー・ワールド』を作ったし、ミュージカル『These Paper Bullets』の音楽も担当した。曲作りは常にしてるんだ。ノラ・ジョーンズとデュエット・アルバムも作ったね。でも今回のアルバムのアプローチは、リラックスしたものだった。成り行きに任せたって感じかな。違うプロジェクトをやって自分の力を少し試してたら、いきなり『バン・バン』へのインスピレーションが湧いたんだ。自然にね。