コナー・マクレガー:UFCスターが完璧なプロレスの悪役になる理由

(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

WWEリングには上がることはないかもしれないが、マクレガーがプロレスを罵倒する様子はとても楽しい。

コナー・マクレガーの、WWEスーパースター全員を向こうに回した毒舌が止まらない。全く素晴らしい。こうしたことこそ、プロレスからあまりにも長い間欠けていたことだからだ。

マクレガーがオクタゴンを去ってWWEのリングに上がることはおそらくなさそうなのはあまりにも残念だ。マクレガーが吐いた言葉を実行に移せるのか、すっかり毒気を抜かれた今の時代のプロレスにオールドスクールなトラッシュトーク(挑発)を取り戻すのか、あるいはある種の反体制派を演じるだけなのか、何にせよそうしたことが見られたら楽しいことだろう。UFCフェザー級チャンピオンのマクレガーはこう言っている。「オレが思うに、WWEのほとんどのヤツらは正直、弱虫野郎だ。オレに言わせりゃ、頭のおかしな弱虫ばかりだ」。これは多くのファンが恋い焦がれるアティチュード時代(訳注:90年代後半、WWEが悪ふざけやお色気、暴力性を強調していた時代)の挑発そのものだ。リック・ルードがアメリカ中でファンに向かって「デブで不格好なブ女ばかりだ」と罵ったのと同じくらい素晴らしい。本当に優れた挑発発言なのだ。

ここで疑問なのは、ビッグマッチが目の前に迫っているマクレガーが、なぜ今あえて、クリス・ジェリコやランディ・オートンといった面々を挑発する必要があったのかということだ。UFC 196でのネイト・ディアス戦での敗戦の借りを返そうという前に、WWEに毒舌を吐いた事情とはいったい何だろう。本来はそんなことを考えている場合ではないのではないだろうか。

他の選手であればおそらくそうなのだ。ただ、マクレガーはこれまでバッドガイとして成功してきた男だ。プロレスラーに聞いてみれば、誰しもがヒール(悪役)を演じるのは楽しいという。あらゆる憎悪を投げつけられると、もっと欲しくなるというのだ。来るべき再戦に向けて、マクレガーはモチヴェーションを高めるものであれば何でも利用するということなのだろう。

Translation by Kuniaki Takahashi

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