ポール・マッカートニーが語るライヴ前のサウンドチェック・ショー:「これはマッカートニー族の儀式だ」

ー彼らはとても熱狂的です。


それに応えられるのはとても嬉しいことだね。よく観客の中から何人かをステージへ上げるんだ。彼らはサインボードを掲げて、タトゥーを要求するんだよ。


ーサウンドチェックでも、"タトゥーと書いたサインボードを掲げているファンを見かけました。


腕にサインしてあげると、彼らはそれをそのままタトゥーに彫るんだ。これまでにたくさんその手のサインをしてきたよ。「Marry us.(結婚します)」とか「I’ve Got the Ring.(プロポーズされた。訳註:ポール・マッカートニーの楽曲『I’ll Give You A Ring』にかけた言葉)」というのも多いよ。それで何人かをステージへ引っ張りあげて、彼らをからかって遊ぶんだ。「名前は?結婚してるの?こんなにたくさんの人の前でプロポーズするのが夢だったの?オーケー、じゃあひざまづいて」。そうすると観客は大喜びさ。


頭の片隅では「やりすぎちゃいけない。単なるお遊びなんだから」って思っている。ついこの前の夜のことなんだけどね(笑)。人々とのふれあいは好きだよ。「写真撮っていいですか?」と街でよく声をかけられるんだ。そこで僕はいつも「ごめん、写真はだめだよ。でも話をしようよ」って答えてる。


ーその方がとても意義がありますね。


そう思う。誰でも確証が欲しいんだ。「誰も僕を信じないだろう。みんなタフでなければいけない」(笑)。でも、人々の最も面白い面を発見するのはとても楽しいよ。僕はいつもそれを楽しんでる。


ほんの些細なことでも大きくしてコンサートに取り込んでいく。ある夜のコンサート中にバンドの誰かが何かをして、観客に受けたとする。そうするとそのメンバーは次のコンサートでまた同じことをやる。僕らは「彼はこうしてああするぞ」と読むことができる。こうして、このメンバーの行動は我々の"儀式"の一部として取り込まれていくんだ。


家族や愛や、大切にしているものから生まれる小さな行為が広がって行くことに魅力を感じる。みんな笑うかもしれないけれど、愛はとても大きく、みんなの心の中心にある大切なものなんだ。ビートルズも僕もずっと美徳をテーマにしてきた。「愛こそはすべて」さ。 


ポール・マッカートニーに関する5つの事実

Translation by Smokva Tokyo

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