ー昨年発表した『Genesis Series EP』には、『Faded』でつきまとうようになったイメージを払拭する目的があったのでしょうか?その通り。あとコラボレーションを通じて、多様なサウンドを模索するっていう狙いもあった。『Faded』の別バージョンばかりを作り続けるような真似は絶対にしたくなかった。アーティストは常に進化し続けるべきだからね。
ーデビューアルバムとEPの違いはどういったところにあるのでしょう?あまりフロア向けではないところだね。このアルバムの雰囲気には、クラブよりもコンサート会場のほうが似合うんだ。
ークラブミュージックのプロデューサーというイメージを払拭するのは困難だと思いますか?正直なところ、今はクラブ向けの音楽を作ることにあまり興味がないんだ。そういう音楽を作ることは楽しいし、ダンスミュージックが自分のバックグラウンドの一部であることは確かだよ。『The Nightday EP』を作った頃、僕はクラブカルチャーにどっぷり浸かっていた。でも今は劇場やフェスティバルで演奏することのほうが多いんだよ。そういう場で触れる音楽の多くは、クラブで流行っているようなものとは違うからね。
ー他のアーティストとのコラボレーションでは、自身のアプローチを変える必要がありましたか?学ぶことはたくさんあったよ。自分の声の使い方とかね。『Good Life』なんかでは、僕は時々ボソボソと呟いてるだけで、ほぼまともに歌っていないんだ。曲が自分の声を必要としていないと感じたからね。(ブルーズの)ジョージアの声はすごくパワフルで、僕の出る幕はなかったんだ。
ー『Generationwhy』というタイトルには、マニフェストのような響きがあります。リスナーに何かを問いかけるようなアルバムにしたかったんだ。新しい物事は何かに対する疑問から生まれるものだと思うし、この作品がそういうきっかけになればと思っているよ。
ーリスナーが具体的にどんな疑問を抱くことを期待しますか?理想の音楽とは何か、言葉にできない内容を表現するような音楽とはどういうものか、そういうことだね。ドクター・ドレーの『2001』を聴くと、当時のロサンゼルスがどんな場所だったか目に浮かぶんだ。それと同じように、このアルバムから現在のこの街の空気を感じ取ってもらえたらと思っているよ。今のロサンゼルスに漂う孤独感をね。
ー世界中を旅して回る今の生活において、ロサンゼルスというアイデンティティをリアルに保つことに困難を覚えますか?このアルバムの一部はニューオーリンズで制作されたんだ。明日にはサンタフェでセッションすることになっているし、ロサンゼルスで過ごす時間が少なくなっているのは事実だね。でもこの作品の大部分はロサンゼルスで作ったし、この街に漂う孤独感、そして一体感が宿っていると思うよ。
ー現在のエレクトロニック・ミュージックのシーンにおいて、自身の立ち位置をどう捉えていますか?特定のジャンルやシーンの一部となることには興味がないんだ。僕はいろんなタイプの曲を作るからね。言葉で表現しようのない音楽にこそ、僕は魅力を感じるんだ。
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