ロバート・デ・ニーロ、ドナルド・トランプを『タクシー・ドライバー』の主人公になぞらえる

Photo by Kevin Winter/Getty Images

「トランプが言ってきたことはまったくクレイジーでばかげている。本当に気の狂ったやつだよ」とロバート・デ・ニーロは語った。

俳優のロバート・デ・ニーロは、ドナルド・トランプを映画史に残る気の狂ったキャラクター、『タクシー・ドライバー』の主人公のトラヴィス・ビックルに例えた。同作は、現在開催中のサラエヴォ映画祭で去る金曜日の夜に上演された。そこでデ・ニーロは、共和党候補者のトランプを「まったく気が狂ったやつ」と非難し、財界の大物がここまで選挙を勝ち進んできたことに疑問を呈した。

上記のデ・ニーロのコメントは、マーティン・スコセッシ監督が手がけた40年前のフィルム・ノワールで、彼が演じたトラヴィス・ビックルという役柄を振り返っている際に飛び出したもの。映画の中盤、ビックルは大統領候補の暗殺を企んでいたが、最終的には売春宿の客引きやマフィアたちを皆殺しにしたことで、民衆から英雄扱いされるのだった。

「ビックルが英雄扱いされてタクシー・ドライバーへと戻っていく姿はとても皮肉で、我々が抱える今日的な問題につながっていると思う」とデ・ニーロは語った。「私にはわからない。あんなに多くの人がトランプを支持するなんて本当におかしいよ。彼はあのような立場にいるべき人間じゃない。まったく何てことだ」。

デ・ニーロの発言に映画祭の観客は拍手喝さいを送ったと、AP通信は報じた。

「トランプが言ってきたことはまったくクレイジーでばかげているよ」とデ・ニーロはトランプを擁護するメディアを批判しながら、「でもそろそろメディアも気付き始めていると思う。そのうち言い出すよ、"頼むよ、ドナルド。まったくばかげているし、気が狂っているし、正気とは思えないよ"ってね」。

Translation by Sahoko Yamazaki

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