映画『ハイ・ライズ』:高層マンションで繰り広げられる階級闘争を描くSFファンタジー

(C) RPC HIGH-RISE LIMITED / THE BRITISH FILM INSTITUTE / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2015

巨匠J・G・バラードのカルトSF小説を映画化した『ハイ・ライズ』で、トム・ヒドルストンは最上階への道を閉ざす。

トム・ヒドルストンは、見るものを惹きつけ、その注目に報いるような俳優だ。8月16日からAmazonプライム・ビデオで放映されるミニシリーズの犯罪サスペンス『ナイト・マネージャー』に関する情報をチェックしてみよう。あるいは、1975年にJ・G・バラードが出版した科学技術と人間の狂気を描いた小説を、ベン・ウィートリー監督が催眠術にかかったような錯乱したテイクで映画化した『ハイ・ライズ』で、予想もしなかった異常事態に挑むヒドルストンの姿を見てみよう。それは重々しい話に思える、時にはものすごく。だが、ウィートリー監督と彼の妻で脚本家のエイミー・ジャンプは、人の痛い所を突き、あるいはあなたを出口へと駆け出させる大胆なアプローチと共に、テクノロジーの時代の階級闘争を寓話的に描いたバラードの物語に活力を吹き込んでいる。

ヒドルストンが演じるのは、医師のロバート・ラング博士だ。まず私たちは、かつて一流の生理学者だった彼が、バルコニーで血まみれになって犬の脚を焼いている姿を目にする。次に私たちは、回想シーンで数カ月前にロンドンにある高級な高層マンション、ハイ・ライズの25階にロバートが初めて引っ越してきた日の出来事を目にする。このシーンは、極端に度を過ごした1970年代を表現するメタファーとしての役割を果たしている。そしてジェレミー・アイアンズは、下層階級の人々が低層階でもがきながら野心を抱くかたわらで、40階のペントハウスに生活するハイ・ライズの設計者アンソニー・ロイヤルを楽しんで演じている。

Translation by Yuka Ueki

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