スティング、約20年ぶりにロック・アルバムを制作:プリンスの死や気候変動からインスパイア

次に彼は新しいマネージャーのマーティン・キールセンバウム(今年初めにフルタイムで雇われる前はスティングのA&R担当として働いていた)のアドバイスに従い、少人数のミュージシャンにスタジオ作業への参加を依頼した。参加メンバーは、スティングのツアー・メンバーでドラマーのヴィニー・カリウタやギタリストのドミニク・ミラー、キールセンバウムがマネージャーを務めるサンアントニオのテクスメクス・バンド、ザ・ラスト・バンドレロスのジェリー・フエンテスとディエゴ・ナヴァイラだ。スティングは、毎日、何の材料も持たずにスタジオに入り、その場にいるミュージシャンたちと即興で作曲を行った。「全部お金がかかることだから、緊張感が増すのさ」と彼は話す。

「ほとんどの曲は衝動的な感じで作ったもので、1、2テイクでできたものなんだ。彼がこんなにロックになったのは、アルバム『シンクロニシティー』以来だと思う」と、このアルバムのプロデュースを手がけたキールセンバウムは語っている。

アルバムの大部分は「移住」をテーマとしているとスティングは説明する。楽曲『Inshallah』はヨーロッパへ旅立つ難民の物語を歌ったもので、『One Fine Day』は気候変動懐疑論者にフォーカスした曲である。「今後、移住の最大の原動力は気候になるだろう。何百万もの人々が安全な場所を探し求めることになるだろうね。俺は、イギリスがこれといった理由もなく、EUから離脱することで少し絶望しているんだ。少なくともEUは気候変動に取り組むプログラムを実施しているから」と彼は述べる。

Translation by Shizuka De Luca

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