プロト・パンクの代表的存在、スーサイドのアラン・ヴェガ逝去、享年78歳

プロト・パンクの代表的存在として知られるスーサイドのアラン・ヴェガ(左)、78歳で死去(Photo by Ebet Roberts/Redferns)

「死の直前まで絶え間なくアートを生み出し続けたアランは、真にユニークな存在だった」


去る7月16日、プロト・パンクの代表的存在として知られるスーサイドのシンガー、アラン・ヴェガが自宅で息を引き取った。享年78歳だった。

ヴェガの死去の事実を公表したのは、親交の深かったヘンリー・ロリンズだった。ロリンズが公開した遺族によるコメントにはこう綴られている。「偉大なアーティストのアラン・ヴェガがこの世を去ったという事実に、言葉にならない悲しみを覚えている」

「音楽にとどまらず、死の直前まで様々なアートを生み続けたアランは、真にユニークな存在だった。1970年代初頭、アランはマーティン・レヴと共にスーサイドを結成し、あらゆる既成概念を覆す独創的な音楽性で世界に衝撃を与えた。その挑戦的なライブパフォーマンスは、後のパンク・ムーブメントに多大な影響を及ぼした。彼らのファーストアルバムは、アメリカの音楽史において最もユニークで野心に満ちた作品のひとつだ。自身のヴィジョンを形にすることに生涯を捧げたアラン・ヴェガは、真の意味でのアーティストだった」

ヴェガは2012年に、心臓発作を発症したと報じられていた。

1969年のストゥージズのコンサートに衝撃を受けたヴェガは、友人のマーティン・レヴと共に、1970年代初頭にスーサイドを結成する。マーベル・コミックの『ゴースト・ライダー』にちなんで名付けられたバンドは、ミニマルで独創的なサウンド、深いエコーがかかったヴェガの浮遊感漂うヴォーカル、そしてレヴが作り出す原始的なシンセサウンドとドラムマシンによるトラックで唯一無二の世界観を作り出し、後のパンクムーブメントに大きな影響を及ぼした。

Translation by Masaaki Yoshida

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