ジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックスとの思い出と最新アルバムを語る

ジェフ・ベックが、ジミ・ヘンドリックスのライヴを見た時のことを回想し、またシンガーソングライターのロージー・ボーンズが、いかにしてニュー・アルバムの歌詞を作り上げたか明らかにする。(Photo by Stephen J. Cohen/Getty Images)

伝説的ギタリストが、実現しなかったロッド・スチュワートとの再結成、趣味のヴィンテージカーの修理について語る。

66年10月、ギタリストのジェフ・ベックは、USツアー中に英バンドのヤードバーズを突然脱退した。「俺たちは一日965キロぐらい、バスで移動してた。すし詰め状態のバスでね」。御年72歳のベックは、苦笑いしながらこう当時を回想した。「それで3曲するわけ。『俺たちはつぶされてる』と思ってたんだ」。現在、自らのブルースのヒーローであるバディ・ガイと共にツアー中のベックは、ソロ・デビュー50周年を迎える2016年10月10日に、カリフォルニア州ハリウッドの野外音楽堂ハリウッド・ボウルで、オーケストラを迎え、50周年記念ライヴを行うことが決定している。またベックは、この節目を記念し、ギターとヴィンテージカーの修理に対する熱い思いを写真と共に振り返る、豪華な書籍『BECK01』を発売する。そして7月15日には、政治色の濃いニュー・アルバム『ラウド・ヘイラー』が全世界でリリースされた。本作はでは、ギターをカーメン・ヴァンデンバーグが、ヴォーカルと作詞をロージー・ボーンズが担当するというように、新たなアーティストとのコラボレーションが実現している。ベックは自叙伝の執筆中でもあり、映画化されることを願っているという。



「俺が楽しんだことは、スクリーンでも見てもらわないといけないんだ」。長年暮らしている英サセックスでのツアーのリハーサル中に行われた、ローリングストーン誌とのインタヴューの終わりに、ベックはこう主張してみせた。また彼は、「自分が笑っていることに対して、大勢の人が笑うってことを考えるのが良くてね。なんたって、俺の人生は超現実的で、完全に変わったものだから」と心から笑いながら話してくれた。今回のインタヴューでは、ベックのそんな姿を何度も伺うことができた。「自分がまだ生きてるか、つねって確かめないといけなくてね」



─ここ最近、多くの人とコラボレーションをされていますが、女性の方とのコラボがとてもうまくいってますよね。ベーシストのタル・ウィルケンフェルドやロンダ・スミス、シンガーののイメルダ・メイ、そして今回はカーメンとロージーと。男性ではなく女性とコラボすることの、どんな点が気に入っているのでしょうか?



まず第一に、見た目が良いでしょ(笑)。カーメンとは、(クイーンのドラマー、ロジャー・テイラーの)誕生日パーティで会ったんだ。誰かから、彼女がギタリストだって聞いてね。予想してなかったことを耳にしたんだ。彼女が「あのね、私、バディ・ガイ、アルバート・コリンズが好きなの」って言ってさ。「わぁ。それって23歳の女の子にしたら、かなりクールなことじゃん」と思ったわけ(笑)。

Translation by Miori Aien

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