2016年大統領選におけるバーニー・サンダースの静かなる勝利

健康保険制度改革プランに関してクリントンは、サンダースが描く国民医療保険制度改革案に対し、緩やかながらも重要な歩み寄りを見せた。クリントンは、現在65歳以上が対象となっているメディケア(老人医療保険制度)の対象年齢を55歳にまで引き下げるプランを打ち出し、退職を目の前にしたアメリカ人に公的な選択肢を与えようとしている。さらにクリントン氏は、現在のオバマケアに代わり、年齢にかかわらず公的保険制度に加入させるという政策を掲げた。これは彼女が2008年の大統領選時に提唱した政策である。また、患者の医療費支払い能力にかかわらず初期医療が受けられるようにするため、全米各地の(低所得者層向け)地域医療センターへの400億ドルの拠出も約束した。これにより農場労働者、公営住宅の居住者、ホームレスを含む多くの低所得者層が対象となる。

保険制度に関してサンダースは、クリントンの大胆で斬新なアプローチを高く評価している。「彼女の政策が実現すれば、近い将来すべてのアメリカ人が質の高い医療を安価で受けられるようになるだろう」。

サンダースの提唱した教育と保険に関する政策は、ヒラリー・クリントンの政策に組み入れられた。大統領選に立候補するにあたりクリントンは、かつて「自由貿易協定(FTA)のゴールデン・スタンダードである」と賛成の立場を取っていた環太平洋経済協定(TPP)や、キーストーンXLパイプライン問題に対して、今度は反対の立場を取っている。

Translation by Smokva Tokyo

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