ベック、『モーニング・フェイズ』に続くニュー・アルバムについて語る

2014年グラミー賞受賞作『モーニング・フェイズ』以前より制作に取り掛かっていた、ニュー・アルバムの仕上げ段階について語るベック。Photo by Nate Horowitz

シンガー・ソングライターのベックが、2016年10月にリリース予定のポップで冒険的な最新アルバムについて語った。

ベックは、2014年のアルバム『モーニング・フェイズ』の成功に誰よりも驚いたという。同アルバムは、グラミー賞の年間最優秀アルバムに輝き、ベックにとって過去10年間で最も売れたアルバムとなった。「期待してなかったんだ」。こう話すベックは、自身のアルバムの多くが「一度聴いたら終わりのもの」と表現した。実は『モーニング・フェイズ』はというと、当時ベックが悪戦苦闘していた、より大掛かりなアルバム作りの合間の、短期間プロジェクトの予定だったのだ。「決まっていたツアーのために、何かリリースしておきかったんだ」

それから3年の年月をかけ、ベックはそのアルバムを完成させた。10月にリリース予定のタイトル未定のアルバムは、前作から思いがけない変化を遂げている。『モーニング・フェイズ』の美しいハーモニーとは打って変わり、迫力あるメロディ、ヒップホップなループ、そしてベックの90年代の作品にみられるポップなエネルギーが特徴的な作品になっている。

そのサウンドは、5年間のツアーからインスピレーションを得たとベックは話す。若い観客を前に、大規模な夏のフェスティバルでパフォーマンスしてきたベックは、2015年に一緒にツアーをまわった、ザ・ストロークスのようなバンドのエネルギーを吸収したという。「ある夏の夜だったんだけど、みんなが手を掲げていたんだ。お祝いの雰囲気をみんなが共有している感じ。僕は、そういうエネルギーとか喜びを、スタジオに持ち込みたかったんだ。それが僕を、ほんの少し目覚めさせたんだ」

Translation by Miori Aien

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