アップル流、音楽ストリーミング戦争を勝ち抜く方法

アップルのオリジナル・ミュージック・コンテンツを担当しているラリー・ジャクソンは、『Apple Music』を「ポップ・カルチャーに関するあらゆる事柄の交差点」にすることが目標だと語る。

テクノロジーの巨人が財布のヒモを緩め、これまでにないやり方でアーティストのキャリアにかかわっていくーー音楽ストリーミング戦争、アップルの戦法とは。

ドレイクの『ホットライン・ブリング』のビデオ、テイラー・スウィフトのツアームービー、ザ・ウィークエンドの『キャント・フィール・マイ・フェイス』には共通点がある。アップルの資金提供を受けているのだ。世界で最も企業価値の高い企業と言われているアップルは、ミュージック・ビデオやコンサート・ドキュメンタリー、ドキュメンタリー作品の制作、そしてとりわけ、アルバム独占配信を入手するためにその巨大な資金を投じている。そしてテクノロジーの巨人の重役たちは、ポップ・スターのプロジェクトに関与している。アップルのCEO、ティム・クックはM.I.A.の『Borders』のビデオ制作に一枚かんでいる。

「ティムはあのプロジェクトには力を入れていたよ」と語るのは、アップルのオリジナル・ミュージック・コンテンツを担当しているラリー・ジャクソンだ。直近の独占配信は、チャンス・ザ・ラッパーの『Coloring Book』である。彼はレーベルに所属しておらず、ダウンロード版の販売もしていないので、消費者は『Apple Music』で聞くしかない。「ここをアーティストが好きなことをできる家のような場所にしたいんだ」と語るのは、レコード業界長年の大御所、ジミー・アイオヴァインだ。2014年にパートナーのドクター・ドレーとビーツ・エレクトロニクスを30億ドルでアップルに売却した後、アイオヴァインはアップルのストリーミング・サービスを引き継いでいる。

Translation by Kuniaki Takahashi

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