ボブ・ディランのカヴァー・ソング人気ベスト10

Photo by Sigmund Goode/Michael Ochs Archive/Getty Images

ザ・バンドの『アイ・シャル・ビー・リリースト』やエディ・ヴェダーの『戦争の親玉』を抑えて上位を獲得した曲とは?

ロック史の中でもボブ・ディランほど多くの曲がカヴァーされたアーティストはいない。それは1963年の『風に吹かれて』が、ピーター・ポール&マリーからサム・クック、スティーヴィー・ワンダーに至るまで、幅広いアーティストにレコーディングされるスタンダード曲になった時から始まった。その後の数年間で、ザ・バーズ、ザ・ホリーズ、ソニー&シェールなど、数え切れないほどのミュージシャンがディラン人気に乗った。エルヴィス・プレスリーですら1966年に『明日は遠く』で仲間入りしているのだ。ディランの75歳の誕生日を祝して、我々はボブ・ディランの人気カヴァー曲についての読者投票を行った。結果は次の通りだ。

10位 ジェフ・バックリィ 『ジャスト・ライク・ア・ウーマン<女の如く>』


1993年初頭にコロムビア・レコードと契約してほどなく、ジェフ・バックリィは『ジャスト・ライク・ア・ウーマン<女の如く>』の印象的なリメークを制作した。1993年にカフェSin-éで行われた伝説のライヴをはじめとして、彼はライヴではこの曲をエレキギターのソロで演奏している。スタジオ・バージョンは2016年初めにリリースされたコンピレーション・アルバム『ユー・アンド・アイ』に収録されるまで日の目を見なかった。この曲にはヴァン・モリソンからリッチー・ヘヴンスまで、多くのアーティストが取り組んでいるが、これほど痛々しいほどに美しかったことはない。

9位 ジェフ・バックリィ 『Mama, You’ve Been On My Mind』


ジェフ・バックリィがライヴで演奏したボブ・ディランのカヴァー曲は『ジャスト・ライク・ア・ウーマン<女の如く>』だけではなかった。彼は『アイ・シャル・ビー・リリースト』、『彼女にあったら、よろしくと』、『さよなら、アンジェリーナ 』、『Mama, You’ve Been On My Mind』も演奏している。『Mama, You’ve Been On My Mind』はディランが1964年に、恋人のスーズ・ロトロとの別れに着想を得て書いた曲だ。ディランがこの曲をライヴで演奏し始めると、その翌年、ジョーン・バエズがこの曲を『Daddy, You’ve Been on My Mind(わが心のダディ)』としてリリースした。ディランのスタジオ・バージョンは1991年発売のブートレグ・シリーズの第一弾にようやく収録されることとなり、そのころからジェフ・バックリィもライヴで披露するようになった。この曲は彼の唯一のソロ・アルバム『グレース(Legacy Edition)』で聞くことができる。

Translation by Kuniaki Takahashi

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