レッチリのフリーが語る、スノーボード事故とバンドの新たな方向性とは

─事故前に作曲した曲でアルバムに収録されたものはありますか?

作曲家というのは必要以上に作曲してレコーディングをするものだよね。アルバム収録曲の13曲中8曲は事故前に作ったもので、残りの5曲はブライアンと一緒にスタジオで作ったものだと思う。

─前作のアルバムはギターのジョシュ・クリングホッファーと制作した初めての作品でした。当時よりバンドが4人組としてより良い関係になれたと感じているのではないでしょうか?

それは間違いないね。ジョン(・フルシアンテ)は、ミュージシャンや作曲家として、そして芸術的センスと自己意識を兼ね備えた存在として、バンドのクリエイティブな面でとても大きな戦力だった。ジョシュが加入した時に起きた変化はとてつもなく大きかったよ。俺たちはジョシュと前のアルバムを作ったけど、その時はまだ一度もあいつとライヴをしたことがなかった。あいつがバンドに加入した次の日に、アルバムの制作を始めようとしたんだ。一度もライヴをしたことがないし、まだ本人のことをよく知りもしないで、アルバムのレコーディングをしたわけさ。表面的なことは知っていたけどね。ジョシュはジョンの友達だったから、面識があって雑談もできていたけど、詳しくは知らなかった。特に一緒にバンドをやろうって時、普通は親しい関係になるものだけど、そうじゃなかった。俺たちはまだお互いにコミュニケーションが取れていなかったんだ。

ツアー活動もして、数え切れないほどの議論を重ね、俺たちが互いに好意を持っていることを伝え合ったりして5年が経ち、今では俺たち独自のコミュニケーション方法を確立しているよ。だから今回のアルバムの制作は、そういった面ではかなりスムーズで余裕もあったし、より気楽にできた。芸術的な面だけでなく個人的なことについても、そういう仲間にしか通じない言葉やコミュニケーション方法みたいなものを作るようになったんだ。

─今回の収録曲の多くが傷心や喪失感をテーマにしていると感じたのですが、合っています?

うーん・・・そうだね。それについては歌詞を書いたアンソニーに聞いた方が良いと思うけど、彼にとってはそういう意味が込められているんじゃないかな。それに言うまでもなく、俺たちは皆、生きていくなかで感情的な問題を抱えているわけだろ。うーん・・・そうだよね・・・。

Translation by Shizuka De Luca

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