ジェームス・ブラウンの新作ドキュメンタリーから学ぶ9つのこと

1969年頃のジェームス・ブラウン。(Photo by ABC Photo Archives/ABC via Getty Images)


2. 彼は"美しい"とされるものへのアンチテーゼだった

ブラウンの数十年にわたる友人のアル・シャープトンによれば、ブラウンは伝統的な主役の型に合わないことが、いかに頑張って技を磨く動機となったかを話したという。「ジェームスはこう言いました。"牧師さん、覚えておけよ。俺が出てきた時、あんたはジャッキー・ウィルソンやスモーキー・ロビンソンのように背が高くて、明るい肌の色をしていて、ウェイビーな長い髪でいなくちゃいけなかった"」とアル・シャープトンは話す。「"俺はチビで、アフリカっぽくて、あの時、人から美しいと言われるようなものは何一つなかったんだ。俺は、他の誰よりも踊り抜いて、歌い抜いて、毎晩働こうと心に決めたんだ"と」。

3. ブラウンのニクソン応援は"片思い"だった

1968年の大統領選でリチャード・ニクソンに敗れるまでヒューバート・ハンフリーを支援していたブラウンだったが、1972年の大統領選では手のひらを返してニクソンを支持し応援した。そのための黒人社会の多くがブラウンに背を向けた。彼のアルバムを燃やす人々の映像と共に、"ジェームス・ブラウンは黒人を売ったのか?それとも売り込みに行ったのか?"とフィルムに映される見出しが読み取れる。あるシーンで、ブラウンはニクソンにマーティン・ルーサー・キングJr.の誕生日を国民の休日にするのに賛成かどうか尋ねている。ニクソンは「どうするのが適切か検討している最中です」と回答し、「幸運を。また多くの成功がありますように」と結んだ。だが、プライベートでは、ニクソンは誠実ではなかった。「黒人のスタッフはもういらない」との大統領の声が年代物のオーディオ・テープに録音されている。「黒人スタッフが多すぎる。もう黒人はいらない。とにかくここには連れてこないでくれ。ジェームス・ブラウンは若い連中から結構な人気があるようだな。彼は黒人だ。わかった。私に求められているのは、彼と座って話をすることだ。そうだろ?」

4. 彼のマント・ショーはプロレスラーの影響だ

ブラウンのM.Cであり“マント・マン”を務めるダニー・レイが、演技として苦痛に跪くシンガーをマントで覆う、彼の悪名高いマント・ショーは、当時人気のあったゴージャス・ジョージというプロレスラーを真似たものだ。試合の後、ジョージの肩に誰かがマントを投げかける。これをブラウンが自分のショーに取り入れ、苦痛に膝をつく演技を加えた。「彼は観衆と気持ちを合わせる方法を探していたんだ。それがこれさ」とレイは言う。「あれをなくすことはできないよ。彼は言うんだ。"ミスター・レイ、わかってるだろう、これは続けるぞ。君の仕事が1つ増えたんだ"」と。シャープトンがこれに加える。「あれは間違いなくショーの精髄だよ。ただ座り込んだところで取り乱す、だけどなぜか力が湧いてきて、不死鳥のように再び立ち上がるんだ」。

Translation by Kise Imai

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