スライ&ザ・ファミリー・ストーンの必聴20曲

スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、1993年にロックの殿堂入りを果たした(Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images)


『Luv N’ Haight』(1971)

スライがロサンゼルスのスタジオに引きこもっていた頃、彼は手の届く限りあらゆる楽器を研究していた。『暴動』にはファミリー・ストーンのメンバーも一応参加していたが、大部分はスライ自身が複数のパートを自分で演奏し、重ね録りした。音を重ねるたびに音質は徐々に劣化し、かすんでもうろうとしたような音になった。『Time』、『Thank You for Talkin’ to Me Africa』、『Luv N’ Haight』やその他の曲も同様に、全て不明瞭でぼやけていた。その効果は悪い予感をさせたが、同時に魅力的で、ファンクの暗黒な核心に向かっているようだった。

『一緒にいたいなら』(1973)

ファミリー・ストーンが崩壊したのは、『暴動』の時期の伝説になりそうなほど悲惨な一連の公演中だった。スライは次作『フレッシュ』の制作のため、サンフランシスコのベイエリアに戻り、少なくとも『ダンス・トウ・ザ・ミュージック』の時期までは一緒にやっていた何人かのメイン・メンバーの入れ替えを始めた。『フレッシュ』は、『暴動』ほど暗く哀愁を帯びてはいないが、メンバーの変更があったにも関わらず、前作で探求したファンクの感動的な続編として仕上がっている。『一緒にいたいなら』は、このアルバムの地味なヒットで、スライとファンの間には距離があった。あるラジオのインタビューで、スライはこう答えている。「書いたことは俺自身の率直な気持ちだ。一緒にいたいなら言ってくれ。そうでなければサヨナラだ」

『Can’t Strain My Brain』(1974)

ファミリー・ストーン名義の1970年代の最後のアルバム、『スモール・トーク』を中途半端に褒め、実はけなしている最もひどいコメントは、ビルボードの1974年7月の批評だ。批評家は無記名でこう書いている。「表現方法に目新しさはほとんどないが、成功したスターがアルバムを出すたびに新しいことをする必要はない」間違ってはいないコメントだ。『スモール・トーク』の収録曲の大部分が過去作品の焼き直しだが、そのスタイルは色あせてはいない。特に、『Can’t Strain My Brain』は綿密に作られていて、この時期のスライの多くの曲同様、彼の現実の捉え方が徐々に緩やかになってきていることが伺える。

『リメンバー』(1979)

ファミリー・ストーンは完全に元の形に戻ったわけではないが、『リメンバー』は、スライ・ストーンの最後の名曲と言っていいだろう。スライはこの何年も前にバンドを捨て、ソロでレコーディングを続けていた。1976年のアルバム『ウェル・アイム・バック』もその一つだ。しかし、このタイトルは、間違いなく史上最もヒドいアルバムタイトルの一つだろう。1979年のアルバム『スライ・バック!』から少なくとも『リメンバー』では過去の過ちを清算しようとしているようだ。この曲でスライは、弟のフレディと妹のローズ・ストーンと再びタッグを組み、一緒に歌いながらかつてのファミリー・ストーンマジックを再現している。



Translation by Cho Satoko

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