スライ&ザ・ファミリー・ストーンの必聴20曲

スライ&ザ・ファミリー・ストーンは、1993年にロックの殿堂入りを果たした(Photo by Michael Ochs Archives/Getty Images)


『ダンス・トゥ・ザ・ミュージック』(1968)

1980年代にテレビ宣伝されたコンピレーションの中で一番よく聴かれているであろう曲が、スライ・ストーン作の『ダンス・トゥ・ザ・ミュージック』だ。そしてこの曲は、1968年春までにファミリー・ストーンとして初めてヒットチャートでトップ10入りした。プロデューサーのクライヴ・デイヴィスの執拗なディレクションの下で制作されたこの曲には、シンプルな歌詞を覆い隠すほどのあふれんばかりのエネルギーと伝染力があった。歌詞は、ドラム、ギター、次にベースという具合にどの楽器を次にグルーヴに入れていくかを語っているに過ぎない。この曲と同タイトルのアルバムへのメンバーの反応は様々だ。サックスプレイヤーのジェリー・マルティーニは、口述歴史家のジョエル・セルヴィンにこう断言している。「俺たちにとっては全然イケていなかった。型通りに作っただけの見せかけのモータウンだ」。しかし、エンジニアのドン・パルーズは、スライが「ベースとドラムのサウンドは、俺の中では最高の出来だ」と言っていたと、ジャーナリストのマイルス・マーシャル・ルイスに伝えている。

『ダイナマイト!』(1968)

『ライフ』は、突然成功した『ダンス・トゥ・ザ・ミュージック』とずばぬけた完成度の『スタンド!』の間に挟まれ、不当な扱いを受ける『三人きょうだいの真ん中』だった。商業的には成功しなかったが、このアルバムは批評家に衝撃を与え、特にローリングストーン誌のバレット・ハンセン(後にドクター・ディメントとして知られる)に「史上最もラディカルなソウルアルバム」とまで言わせた。ハンセンは、特にファミリー・ストーンの「サプライズ要素」を絶賛した。『ダイナマイト!』などのサイケデリック調の曲や、アルバムのタイトル曲でもあるカーニバル風の『ライフ』のアレンジには予測できない展開がある。バンドメンバーのコーラスがリード・ヴォーカルを追いかけ、息の合った音の共演が突然始まり、そして終わる。トランペット奏者のシンシア・ロビンソンが2015年夏(11月に亡くなる前)にエボニー誌にこう語っている。「私たちは好きにアドリブができた。スライは実際のレコーディングとは違う方法で編集したわ。つまり、曲をどこかで止めて、また別のところから始めたの」

『エヴリデイ・ピープル』(1969)

「全米で起きていたことが、俺たちを人として変えてしまった」2013年のワックス・ポエティックス誌のインタビューでフレディ・ストーンがこう語っている。「メンバー同士で話をしていたら、スライは本当に紛れもない天才だったから、俺たちの考えを曲に反映させてくれた」そんな時代にリリースされた『スタンド!』は、当時の政治的、音楽的改革がもたらした激しいエネルギーを吸収し、吐き出している。このアルバムは非常に重要で、この中から半分以上の曲がちょうど1年後の『グレイテスト・ヒッツ』で再リリースされている。『エヴリデイ・ピープル』は、当時のファミリー・ストーンの最高傑作であり、互いの違いを乗り越え、結束することを歌った鮮やかなユートピア賛歌だ。さあ、一緒に歌いましょう。「スクービードゥービードゥー」

『シング・ア・シンプル・ソング』(1969)

『エヴリデイ・ピープル』は、確かに気持ちのいいポップスのヒット曲だったが、非常によく売れたこの曲のB面としてファミリー・ストーンが放ったのは爆発的ファンクだった。『シング・ア・シンプル・ソング』は、ジェームス・ブラウンと彼のバンドにも負けないくらい陽気で迫力があり、さらにスライは、楽器ごとにスピーカーから流れる音量を変えるなどのパン二ング効果を含む様々なスタジオ技術を使った。パチパチというドラム音は、数十年後に大量にサンプリングされるようになった。ドラマーのグレッグ・エリコは2013年、インタビュアーのエリック・サンドラーにこう語った。「この曲のレコーディングは徹底的にやったよ。メンバー全員がそう感じていた。やり切った感があった」

Translation by Cho Satoko

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