トム・モレロが語るプリンス:「ギタープレイは素晴らしくて、ソウルフルで、大胆不敵だった」

トム・モレロは、プリンスの「素晴らしくて、ソウルフルで、大胆不敵な」ギタープレイを称賛する。(Photo by Richard E. Aaron/Redferns / Brent N. Clarke/Getty Images)

「マイケル・ジャクソンが『今夜はビート・イット』のソロを弾くなんて想像できないだろ?!それを簡単にやってのけたのがプリンスだったんだ」レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロは語る。

「過小評価されている」―ギタリストとしてのプリンスを言い表すには、この一言に尽きる。どうしてかって? それは、彼の驚異的なギタープレイが、たくさんの非凡な才能の中の一本の矢に過ぎなかったからさ。彼は非常に優れた歌手で、ソングライターで、プロデューサーで、パフォーマーで、バンドリーダーで、ダンサーで、マルチプレイヤーで、世界的なセックス・アイコンだったから、総合的なプリンスのイメージが、彼のもっとも恐ろしい才能だったかもしれない、ギタープレイを翳らせてしまいがちだったんだ。

優れたパフォーマーであるポップスターはたくさんいるよ・・・でも、ヒットチャートの1位になるようなポップスターで、プリンスみたいにギターが弾ける人は、いまだかつていない。マイケル・ジャクソンが『今夜はビート・イット』のソロを弾くなんて想像できないだろ?! それを簡単にやってのけたのがプリンスだったんだ。彼のプレイはいつでも、素晴らしくて、ソウルフルで、大胆不敵だった。彼は、ジミ・ヘンドリクスのショーマンシップと熟練したジャズ・プレイヤーの驚異的なメロディ感覚を合わせ持っていた。彼は、『KISS』でやったように、ファンキーなジェームス・ブラウン風のリズムを弾けたし、『ビートに抱かれて』のイントロみたいなアバンギャルドなメタルソロも弾けた。とてつもなくすごいソロだよ・・・ポップスのシングルでは絶対に聴けない類のサウンドだ。彼はそんなすごいソロで曲を始めるんだ。

Translation by Naoko Nozawa

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