カセットテープは死なない!復活の理由に迫る

カリフォルニア州フラトンのバーカー・レコーズは、アルバムをカセットテープでリリースする若手アーティストたちの中で人気のレーベルとなっている。(Photo by Wally Skalij/Los Angeles Times via Getty Images)


「こだわり続けた理由は2つあります」ジーンズにボタンダウンのシャツという、カジュアルな服装のステップ氏はこう言う。「頑固さと愚かさですよ。私はとても頑固で楽観主義者なんです。愚かだと言ったのは、私たちはカセットテープの時代が終わったことに気付いていなかったからです。終わったとは聞いてましたけど、信じませんでした。私たちは長い間、諦めませんでした。そして思ってた通りの需要の波が、やってきたんです。カセットテープの時代の再来です」

2015年、ナショナル・オーディオ・カンパニーは2014年度の売上高の31%増となる、500万ドルのカセットテープの売り上げを記録している。インディーズ・レーベルと無名のバンドからの受注が全体の7割を占めているが、大手レコード会社もこの時代の流れを見極めているようだ。というのも、2015年にジャスティン・ビーバーのカセットテープを同社が製造したように、ソニー、キャピトル、ディズニー、そしてユニバーサル・ミュージック・グループは、それぞれが抱えているビッグ・アーティストのカセットテープを同社に発注しているのだ。

またナショナル・オーディオ・カンパニーは、ニルヴァーナ、キース・リチャーズ、ジューダス・プリースト、アイス・キューブ、ウィーザーのカセットテープも手掛けている。さらには、メタリカの82年の7曲入りデモテープ『No Life ’Til Leather』がカセットテープの形でリリースされた際には、2万5000本のカセットテープを製造している。この時グラフィック部は、ドラマーのラーズ・ウルリッヒがデモテープに手書きした文字とオリジナルのデザインを複製したものを、そのままカセットテープに使用した。このカセットテープは、世界最大規模を誇るインターネットオークション eBayで、なんと50ドルほどで取引されているようだ。「大量発注してくれるわけですから、私たちは大手を大切にしています。とは言っても、私たちが今こうしてやっていけるのは、インディーズバンドのおかげです」とステップ氏は話した。「インディーズバンドが[カセットテープを]復活させたのです」

Translation by Miori Aien

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