悲しみに包まれたミネアポリス:街を挙げてプリンス哀悼した日

さらに街の中心部へ行くと、スポーツバーからプリンスのヒット曲が大音量で漏れていた。ローカルラジオ局「89.3 ザ・カレント」が一日中、プリンスの曲を年代順に流していたのだ。一方、ファースト・アベニューの前では、まるでそこにいる人々にプリンスが生み出した音楽を思い出させるためかのように、通り過ぎる車から80年代のリンドラム、セクシーな声、あるいは物悲しいギターの音のエコーが、時々聞こえてくるだけだった。少なくともこの時間帯は、そんな状況だった。



午後6時30分頃に、ミネソタ州チャンハッセンのペイズリー・パークへと繋がるアーボレータム大通りの上空に虹が架かった。まるで謎に包まれたペイズリー・パーク・スタジオの建物が、そこで生まれた音楽と同様に魅惑的だということを伝えているかのようだった。虹に気付いたある女性が「彼、喜んでいるわ」と思わず口にしていたのだが、実に当惑してしまうほどの美しい光景だった。

Translation by Miori Aien

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