ビリー・コーガン、ネット上の過剰な攻撃に物申す:「奴らは狂ってる、KKKと同じ」

ビリー・コーガンは、極右のラジオ番組司会者アレックス・ジョーンズのインタヴューで 、"ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー"をマオイストやKKKと比較した。

陰謀論者アレックス・ジョーンズのインタヴューで、言論の自由を口撃する進歩主義者を非難し、「いもしない幽霊の話をでっち上げる」と意見を述べた

ザ・スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガンが、陰謀論者として有名なアレックス・ジョーンズがホストを務めるリベラル系ラジオ番組のインタヴューで、マオイスト(毛沢東主義者)やクー・クラックス・クランと比較したうえで、『ハッシュタグ世代』と『ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー』(※差別問題などに関して、ネット上で激しく攻撃する人々の総称)に対する不満を表明したと、ピッチフォークが報じている。

コーガンとジョーンズはいずれも、『ソーシャル・ジャスティス・ウォリアー』(進歩的な意見を持つ人々を指す蔑称。アイデンティティ政治を指すこともある)の活動は、言論の自由への脅威であるとの見解を示している。

どうすればソーシャル・ジャスティス・ウォリアーを止められると思うかとジョーンズに質問されたコーガンは、「ふたつの見解がある。ひとつは、奴らは狂ってる。奴らはマオイストだ。手には『リトル・レッド・ブック』(毛沢東語録)を持ってる。とても敵わないよ」と答えた。彼は、ソーシャル・ジャスティス・ウォリアーはカルト集団の一種だとするジョーンズの見解に同意し、「奴らの凝り固まった思想を正す唯一の手段は、現実だ」と付け加えた。

コーガンはさらに、「言論の自由を信じるひとりの人間として、また、アーティストとして怖いんだ。奴らは俺に襲い掛かってくる。明日じゃないとしても、近い将来ね。俺がまずいときにまずいことを言ったり、疲れててたまたま電話に出なかったりしたら・・・とにかく、何を言っても全部地雷になるんだ。そう思わないか? そんな世界に住みたくないだろ?」と続けた。

コーガンは、このような「他者の考えや物の見方への寛容の欠如が、ソーシャル・ジャスティス・ウォリアーの活動における最大の弱点だ」と述べ、彼らは「いもしない幽霊の話をでっち上げている」と示唆した。ジョーンズとコーガンは、ソーシャル・ジャスティス・ウォリアーは、誤った歴史になりたくない左寄りの輩を洗脳するために怒りを利用しているという共通の見解について議論し、コーガンは彼らを『マーク』(プロレスの試合が真剣勝負だと信じ込まされているファン)と対比した。

ジョーンズは、「まさに、愚かなKKKが仕事を終えて帰宅途中の黒人を何人か見繕って、ただ黒人だからという理由で殺すのと同じ」ように、ソーシャル・ジャスティス・ウォリアーは、ただ憎しみから、気に食わない相手をやりこめるとの見解を示した。

コーガンはそのたとえについて、「アメリカに人種差別的傾向がないと言うつもりはない。話を元に戻す前に、人種差別が認められ、当たり前のように行われていた時代に戻ろう。1932年のセルマで、さっきのKKKが黒人の顔に唾を吐いたとして、そいつは自分が正しい行いをしたと思ってる、だろ?」と言った。ジョーンズが同意すると、コーガンは、「つまり、それと同じことじゃないの?」と付け加えた(訳注:セルマは、1965年、公民権運動デモ中に『血の日曜日事件』が起きたアラバマ州の都市)。

Translation by Naoko Nozawa

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