ポール・マッカートニーが51年ぶりに披露した『ア・ハード・デイズ・ナイト』を聴く

4月13日(現地時間)カリフォルニア州フレズノのセイヴマート・センターでツアーのキックオフ・ライヴをこなったポール・マッカートニー(Photo by Steve Jennings/Getty Images)

2016年ツアーの皮切りに、ソロとして初めて、ザ・ビートルズのクラシック・ナンバーをライヴ演奏!

ポール・マッカートニーはかねて、2016年の『ワン・オン・ワン』ツアーは"サプライズには事欠かない"と約束していた。カリフォルニア州フレズノのセイヴマート・センターで4月13日(水)に開催されたツアーのキックオフ・コンサートで、マッカートニーはその言葉通り、ソロ・アーティストとして初めて演奏する『ア・ハード・デイズ・ナイト』で、このライヴの幕を切って落としたのだった。全38曲のマラソン・コンサートでは、やはりソロとして初披露となる『ラヴ・ミー・ドゥ』、(ビートルズの前身ともされる)ザ・クオリーメンの『In Spite of All the Danger』(演奏は2005年以来)、『フール・オン・ザ・ヒル』(演奏は2003年以来)、『ユー・ウォント・シー・ミー』(演奏は2004年以来)、そして2015年のカニエ・ウェスト、リアーナとのコラボ曲『フォー・ファイヴ・セカンズ』も演奏された。

マッカートニーがコンサートで『ア・ハード・デイズ・ナイト』を歌ったのは、1965年8月31日、カリフォルニア州デイリー・シティのカウパレスでのビートルズ・コンサート以来のことだった。もっとも2002年のスーパー・ボウルのハーフタイムで、テリー・ブラッドショー(NFL解説者)に乗せられる格好でこの曲の一節を口ずさんだことはあった。『ラヴ・ミー・ドゥ』の演奏はもっと久しぶりで、ビートルズがこの曲を最後に演奏したのは1963年10月16日、ロンドンのプレイハウス・シアターだったのだ。ただしリンゴ・スターはこの曲を2000年のオール・スター・バンドでしばしば演奏していた。




こうした非常に珍しい曲に加えて、マッカートニーのキックオフ・コンサートは、『バンド・オン・ザ・ラン』『ブラックバード』『バック・イン・ザ・USSR』『007 死ぬのは奴らだ』『ヘイ・ジュード』『イエスタデイ』といったスタンダード曲で満載だ。2013年のソロアルバム、『NEW』からも3曲を演奏している(『NEW』『クイーニー・アイ』『セイヴ・アス』)。そしてコンサートのトリは、『アビー・ロード』収録の『ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト/ジ・エンド』だ。


大会場やスタジアムを回るこのコンサートツアーは、4月15日(金)にはオレゴン州ポートランドのモダ・センターへと続き、8月13日(土)のセントルイス、ブッシュ・スタジアム公演まで、追加日程も続々と決定しながら続行中である。

Translation by Kuniaki Takahashi

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE