ビリー・ジョエル、シュープリームス、メタリカ等、米国議会図書館の永久保存楽曲に認定

「80年代初頭に流行したポップ・メタルに対する反動から生じたスラッシュは、スピード感や攻撃性を重視した新しいメタルを目指していた」図書館の記述は続く。「たとえば、アルバムに収録されている『バッテリー』で、ジェイムズ・ヘットフィールドは高速でパワフルなリズム・ギター、ラーズ・ウルリッヒはマシン・ガンのようなドラム、そしてカーク・ハメットは猛烈なリード・ギターを披露している。まさにスラッシュの見本ともいうべきエネルギッシュな一曲で、その技量は驚くべきものだ。だが他の収録曲は、正統的なスラッシュ・メタルから脱却している」

「1986年にメインストリームから離れ、さまよっていたバンドの作品が、国立図書館の登録簿に加えられるなんて、一体誰が想像しただろうか?」ウルリッヒは声明の中でこう述べた。「今回、ジョン・コルトレーン、マール・ハガード、サンタナやジョージ・カーリンといった名だたる顔ぶれと共に、国立録音登録簿に選定されたことを誇りに思い、また謙虚に受け止めています。我々バンドの形成を決定づけたのがこの『メタル・マスター』です。このアルバムがこのような栄誉を授かり、大変感激しています」

ザ・シュープリームスが1964年に発表したモータウンの代表的な作品『愛はどこへ行ったの』について、議会図書館は、「ダイアナ・ロスはこの曲を低い音域で歌いあげ、その独特の成熟した歌声は、彼女の存在を他の女性シンガーから際立たせることになった。そして、メアリー・ウィルソンとフローレンス・バラードの、ビートからタイミングをずらしたコーラスは、歌詞の深い切望を表現し、曲を引き立たせている」と述べた。

また、サンタナがさまざまな要素を取り込んだアルバム『天の守護神』については、「ラテン・ミュージック、ロック、ブルースやモード・ジャズを独自にブレンドした音楽を発信する者として、グループの地位を決定づけたアルバムである。カルロス・サンタナ独特のギターの音色やその果てしないサステイン、そして彼の叙情的なメロディは今日においても人々を強く惹きつける」と述べた。

今回選定された25作品の詳細は、米国議会図書館のウェブサイトに掲載されている。

Translation by Aki Urushihara

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